私の愛しいアップルパイへ
私は家族や友達と働くのが一番いいのではないかと思っています。放課後、友達と時間を忘れて遊んだときのように働けたら最高じゃありませんか。
人間ってのは“仕事と遊び”ではなく”仕事を遊び”にできたときに最高のパフォーマンスを発揮できるのですから。
バンドのマネージャーを親友に任せたのは大正解だった
私にとって最重要な仕事がバンドです。バンドを結成するときに最初に決めたのは、バンドに第三者的な意見をくれて、親身に相談にのってくれる人を楽器隊以外のメンバーとして加えようということでした。
作り手というのはどうしても視野が狭くなるものですから、フィードバックをくれて当初の方向性とのギャップをみてくれる存在はこれ以上なく貴重です。ちょうどパイロットと管制塔の関係みたいなものです。
このとき私が真っ先に声をかけたのは、小学生からの無二の親友であるKeiKanriでした。彼とは、なんでも気兼ねなく相談できて、気兼ねなくアイデアを出せて、気兼ねなく仕事を任せられます。
新しいプロジェクトというのは常に不安がともなうものですが、そのような状況において近くに信頼できる親友がいるのは大変心強く、支えになってくれました。
あなたもご存知の通り、1st Liveは予想以上の大成功でしたが、その成功要因の多くは彼の協力なくしてはあり得ないものでした。
家族や友達と一緒に仕事する3つの理由
1.フットワークが軽くなって機動力があがる
友達と遊んでいるときってのは、まるでゲームをやっているときみたいに挑戦的で楽観的で協力的で気力も高い状態を維持できます。友達と一緒に働くということは、このような効果を得られます。
新しい仕事を形にしていくときには特に役立ちます。新しいことを形にするときには、つい不安から消極的になったり、悲観的なものの見かたをしたりしがちになるものです。そして、そのような思考がプロジェクトにどのくらい悪影響を与えるかは計り知れません。
友達と呼べるような仲間と同じプロジェクトに取り組むことは、このような問題の特効薬です。
2.利害関係を超えた仕事ができる
仕事は必ずしも利害だけで形にできるものではありません。かならず利害ではなく理外の要因が絡んでくるものです。
そのようなときに、利害関係ではなく信頼関係で結ばれている友人が近くにいると、問題を打破するための新しい選択肢を得られます。
実際、KeiKanriが利害関係を超えてLiveの成功に尽力してくれたからこそ、ライブを成功できたのだと思っています。
3.一緒に冒険に出ることで絆がさらに深まる
私が長らく勘違いしていたのは、たまたま気の合う人が友達になって、さらに気の合う人がたまたま親友になると思っていたことです。これは偶然の産物でコントロールできないことだとも思っていました。
最近になってよく思うのは、友情というのは自ら主体的に選び、そして育んでいくものだということです。幸いにも既に親友と呼べる友人がいたとしても、そこで終わりではありません。一緒に冒険に出ることで、友情をさらにかけがえのないものにできるということです。
一緒に冒険に出る機会が増えれば、絆はどんどん唯一無二のものに育っていくでしょう。逆にどんなに仲がよくても冒険の機会が少なければ、惰性的な関係に陥ってしまうかもしれません。
今回のライブはまさにそのような冒険として打ってつけでした。それぞれが力を出しあって冒険を成功に導いていくことで、友情は次のステージに進んだのだと確信しています。
お金にかえられない価値はお金にかえられない人間関係から生まれる
私がサラリーマン時代に疑問に思っていたのは、仕事上の関係の深さと、人間関係上の深さが逆になっていることでした。つまり、仕事で深い関係を結ぶ人は人間関係が浅く、人間関係が深い人とは仕事での関係が浅かったということです。
学校で友情を深め、友達とは別々の就職口を探し、就職先では会社の決めた采配にただ従っていたのですから当然といえば当然です。
ところで、ビジネスというものが収益の最大化を目指すものだとしたら、その鉄則はとてもシンプルになります。それは「お金にかえられない価値を提供すること」です。そして、お金にかえられない価値を生むための要因をあげろと聞かれたら、私は真っ先にお金にかえられない人間関係を土台にしていることだと言います。
仕事ってのは作り手の意志を反映しているものですから、これは当たり前といえば当たり前のことです。
そしてもっと重要なのは、ハーバード大卒の人は数え切れないほどいますが、私にとってお金にかえられない絆で結ばれた人ってのは数えるほどしかいないということです。
貴下の従順なる下僕 松崎より