重要な仕事に没頭したい一方で無気力感に悩まされる原因

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私の愛しいアップルパイへ

私にとっても最重要事項といえば、もちろん音楽です。特に作曲とライブ。収入があろうがなかろうが関係なく、これが最重要事項であることには変わりありません。

そのために、様々な試行錯誤を繰り返し、より良い状況や環境を作ることに注力してきました。その作業が一段落ついたのが2ヶ月ほど前。同時に思ってもみなかった大きな問題にぶつかりました。

それは最重要事項に、つまり音楽に手をつけようとすると、ひどい無力感が襲われて、それから無気力感と倦怠感に悩まされるようになりました。「さぁやろう!いやでもなぁ…」。作業は遅々として進まなくなりました。表向きはいつも通りの作業量をこなしていましたが、それも徐々に苦しくなってきました。ジーザス…

一時は私が本当に心から渇望している夢を間違えたのかとも疑ったくらいです。しかし、私が偉かったのはここですべてを放り投げようとしなかったことです。私も学習しました。こういったときは大抵「頭を使いなさい」という合図なのです。

そういうわけで、重要な仕事に没頭したい一方で無気力感に悩まされる原因を探った結論をあなたにお伝えしようと思うのです。

端的にいえばこういうことでした。私は結局私の人生に対する責任を受け入れる覚悟ができていない甘ちゃんだったのです。

かつての夢破れた日々と再起した日のこと

かつての私は自分が人生の敗者であるという思考にどっぷりと浸かっていました。小学生の頃に夢みたロックスターへの道からはすっかり外れてしまい、冴えないサラリーマンとして生きる自分にうんざりしていました。

日々の仕事は忙しいながらも、うまいことこなしていました。一方で、いつもどこかで退屈を感じていました。まるで退屈をかき消すために見せかけの仕事をしているような気分でした。忙しい退屈。矛盾しているようですが、まさにそんな生活だったのです。

いつしか私は自分が犠牲者だと思い込むようになりました。私の頭の中では常に同じレコードがかかっていました。以下の如きセリフを永久ループで淡々と唱え続けるひどく趣味の悪いレコードでした。

  • 私は望み通りの人生を歩めないのだ
  • 私は夢を追う勇気のない弱虫だ
  • 私は意志の弱い怠け者だ
  • 私は夢を追うことを語る嘘つきだ
  • 私は好きなことで生活していけるほどの魅力がない人間だ
  • 私は誰からも必要とされていない人間だ
  • 私は才能の欠けた凡人だ
  • 私は誰からも理解されていない
  • 私はツいていない人間だ
  • 私はここぞというときに必ず失敗する人間だ

大きな転機が訪れたのは今から4年前、2011年の夏でした。夢を諦めようとしていた私はギリギリのところで踏ん張りました。そして、夢を放り投げて鬱屈とした毎日を送ることをやめて、もう一度(いや初めて)諦めきれない夢へと向かう決意を固めたのでした。

そのときに始めたのがこの愛すべきブログです。ここではサラリーマンが諦めきれない夢へと向かうドキュメンタリーを発信することに決めました。

仕事をかえて、自律的な生活を勝ち取る

それからは驚くほど順調にことは進みました。これまでの人生でなにかうまくいったことがあったとしたら、この4年間の出来事だけでしょう。

サラリーマンが夢へ向かってあがく日記には、徐々にあなたのようなダイハードな夢想家が読者についてくれるようになりました。そして、私もまったく予想していなかったことですが、考え方を入れかえ、自堕落な生活をかたっぱしから改善していく記録は、それ自体が仕事になるようになりました。

1年後にはついにサラリーマンをやめて、個人事業主として独立できました。諦めきれない夢へと向かうコツを文章や講演で広めることが仕事になりました。これは願ってもないチャンスでした。

理想の音楽家を目指す道程自体が仕事になるなら、私は時間と労力を無駄にすることなく、安心して理想の音楽家を目指すことができるのですから。

私はいつになく意欲的になり、仕事は楽しみに満ち溢れ、かつての日々とは完全に縁が切れたものと確信しました。頭の中のレコードは止まり、もう過去の犠牲者だったときの自分は消え去ったようでした。これは希望の物語なのだと信じてやみませんでした。

それでも犠牲者の気分は抜け切れていなかった

しかし、問題の構図はそう簡単ではありませんでした。ガッデム!

諦めきれない夢へ向かう自分の生き様を仕事にすることは、同時に巧妙な責任逃れにもなっていたということです。音楽に没頭する覚悟ができず、音楽に真っ向から向き合う責任を巧妙に回避していたというわけです。

私の頭の中でレコードはずっと回りっぱなしだったのです。あの犠牲者のマーチが!ただ一時的に他の音が騒がしいほど大きくなっただけで、あの悪趣味なレコードは休まず働いていたのです。私を少しずつ蝕むように。

  • 私は望み通りの人生を歩めないのだ
  • 私は夢を追う勇気のない弱虫だ
  • 私は意志の弱い怠け者だ
  • 私は夢を追うことを語る嘘つきだ
  • 私は好きなことで生活していけるほどの魅力がない人間だ
  • 私は誰からも必要とされていない人間だ
  • 私は才能の欠けた凡人だ
  • 私は誰からも理解されていない
  • 私はツいてない人間だ
  • 私はここぞというときに必ず失敗する人間だ

一通りできることをやり、仕事も軌道にのって、安心が生まれたことによって、またどこかからレコードの音が聴こえるようになってきました。あの恐ろしい犠牲者のマーチがここぞとばかりにやってきたのです。

正直に告白すれば、まったく受け入れがたいことですが、私はずっと「夢破れた夢想家」だったということです。

「なぜ、うまくいかないのか?」「なぜ、こんな仕打ちを受けるのか?」「なぜ、いつもうまくいかないのか?」「なぜ、ここぞというときに失敗するのか?」「なぜ、本当に望んだ人生を生きられないのか?」

自分の責任を受け入れ、選択権を取り戻す

思えば、私は心の奥底ではずっと犠牲者で、ずっと嘆いてばかりで、ずっと誰かのせいにしていたのでしょう。これはまったく悲観的にも見えますが、良いニュースもあります。

犠牲者であることをやめて、私が私の人生の責任者であることを頭でなく心で理解すれば、問題の解決に一歩近づくからです。

私が犠牲者のマーチを自らの手で停止し、すべての結果の責任を受け入れれば、選択権を取り戻すことができます。望み通りの人生を生きられないと嘆くかわりに、望みと通りの人生を生きるためになにをすればいいか考えられます。

「私が好きなことを遠ざけたのだ」「私がいまの仕事を選んだのだ」「私が現実逃避に溺れたのだ」「私が自分を傷つけることを放置したのだ」「私がマンネリ化した生活を選んだのだ」

こう考えれば、私は2つの選択肢を見出すことができます。1つは不当な犠牲者の思い込みを振り払って、最重要事項に没頭すること。もしくは、不当な犠牲者の思い込みを生んでいる原因を特定して、具体的な対処をすること。そうすれば、問題に打ち克てる日も遠くないでしょう。

運よく、(心は別として)私を取り巻く状況や環境は、以前とくらべて比較にならないほど良くなっています。私が覚悟さえ決めればすぐにスタートダッシュできるように、無意識のうちに準備していたのかもしれません。

▼なお、これらの考察は「史上最強の人生戦略マニュアル」を読まなければ気づけなかったでしょう。まったく驚くべき一冊です。

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。