私の愛しいアップルパイへ
▼私は日記のテンプレートとして以下のようなものを愛用しています。
1 [事実] 今日は一体いかなる日であったか?
1-1 最も価値のあった行動は?
1-2 自分以外の誰かに貢献できたことは?
1-3 やり始めた工夫、思いついたアイデアは?
1-4 ミスしてしまったことと、打てる対策は?
1-5 身の回りで問題だと思っていることと、その理由は?
1-6 ブログ記事、本、モノなどにグッときたことは?
1-7 嬉しかったことと、その理由は?
1-8 今日、誰かに感謝したことは?
1-9 会った人やSNSで話したことは?
1-10 今日一日を通して達成したことは?
2 [◆発見] 今日一日を象徴する「楽しさ」は何であったか?
3 [●教訓] その「楽しさ」を永続させるには、どんな原則が必要だろうか?
4 [★宣言] その習慣を実現してできる”ありたい姿”とは?
5 [+評価] 今日一日を10点満点で評価するとしたら?
こうして1日1日を意味づけしておけば、あとで振り返るときに大いに役立ちます。
そのなかでも特に役立つのは1-5にある「身の回りで問題だと思っていることと、その理由は?」です。
書いているときは思いつくままに書き出しているだけでも、あとでなによりも必要なお宝情報になります。
問題を書き出す習慣は、不調やスランプのときに役立つ
誰でも本調子じゃないときや、漠然とした不安を抱えているとき、変化を必要としているとき、目の前のことに没頭できていないと感じるときが定期的にやってくるでしょう。
そんなとき私は、上記の日記を振り返って1-5の回答だけをまとめるようにしています。不調のときというのは大抵の場合、放置された問題が残っているときだからです。
逆にいえば、その問題を整理して対策をうっていけば、確実に調子を取り戻せるということでもあります。
毎日問題を書き出すときのポイントは3つです。
- 問題だと思っていることは、どんなに小さなことでもいいから書き出す
- 書きだすのは問題だけで良い。解決策を考える必要はない
- 書き出すときは何も見ず、自分の頭のなかにあるものだけを書き出す
最初は書き忘れた問題がないか不安になるかもしれませんが、書き忘れていてもいいのです。後述しますが、書き忘れたということ自体も1つの情報だからです。
また、一緒に解決策を考えようとすると、作業が大変になって問題を書き出すことが億劫になってしまいます。ですから、ここでは解決策は考えず、問題だけに集中します。
その後、必要に迫られたタイミングで以下の手順にのっとって問題を整理するようにしています。
- (1) 過去数カ月間の問題のリストを1箇所にリストアップする
- (2) (1)のリストをカテゴリ分けしてグルーピングする
- (3) (2)でできたグループごとに問題を1文にまとめる
- (4) (3)でできた問題文ごとに対策を考える
- (5) (4)でできた対策ごとにネクストアクションを考える
- (6) (5)でできたネクストアクションをタスク管理ツールに登録する
- (7) 定期的(最初は毎日)(3)~(5)のリストを眺めて、資料をアップデートする
- (8) 問題の対策が十分にできてきたら(7)の実行頻度を減らしていく
- (9) (7)の定期実行において、問題と感じるものがなくなれば完了
この9ステップを実行すれば、必ずや目の前に立ちはだかるレンガの壁を突破することができるでしょう。
実際、私はこれを「レンガの壁を突破する作戦」と呼んでいます。
正しい答えを見つけるより、正しい問いを見つける
日記を書くのが面倒という場合でも、問題に感じていることを毎日書き留めておくだけで大いに役立つはずです。
整理手順は私が考えたものですが、問題を書きだすワークは「シゴタノ!」の大橋さんの著書である「LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑」の法則」から学んだものです。
この本の最初に「何も見ないで最優先で取り組むべき課題を書き出す」というワークがあります。そして、それを日々続けることで、本当に重要な問いをあぶり出すというワークが続いていくのです。
このワークの他にも、本書には時間管理についての考え方を根本的に変える方法がいくつも書かれていて、大変影響を受けました。
本書を引用しましょう。
一週間毎日ずっと、このワークを続けていれば、次のようなことに気づくはずです。
・途中で書かれなくなった課題がある
・一週間ずっと出続けている課題がある
・漠然としか書かれていない課題がある
・やたらと詳しく書かれている課題がある
自分の記憶だけを頼りに書いていますから、少しでも関心の薄れた課題はノートから消えます。本当に気になっている課題だけがノートに書かれるわけです。
(中略)
単なる思いつきを間引き、繰り返し書き出される課題に注力することで、それを常に意識にのぼるようになり、ほんの小さなきっかけさえも逃さずとらえるようになることで、その課題の解決が始まるわけです。
CHAPTER >> 1 最優先課題を知る
私の日記では質問文を多少変えていますが、やっていることと目的は同じです。ちょうど4年前に本書を読んでから4年間ずっと続けていますが、これはあとで確実に自分を助けてくれる習慣なので続いています。
本書にあるドラッカーの「現代の経営」の引用どおり、「重要なことは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを見つけることである」ということなのです。
貴下の従順なる下僕 松崎より