Rammstein(ラムシュタイン)の7thニューアルバム「Untitled」全曲レビュー!2019年5月17日リリース!

ベルリン市内で展開されているニューアルバムの広告

私の愛しいアップルパイへ

驚きの臨時ニュースが入ってまいりました!ニュージャージー州トレントンの隕石から光線銃を持った火星人が襲来してきたのかって?いいえ、そうではありません。

2019年5月17日にドイツ・ベルリン発のメタルバンドRammsteinの7thニューアルバムがリリースされたのです!今日は高校生時代から15年にわたってRammsteinの活動を追ってきたファンである私から、僭越ではございますがニューアルバムを紹介させていただきましょう。

2019年5月17日、Rammstein(ラムシュタイン)7thニューアルバムリリース!

まずは簡単にRammsteinのご紹介から。Rammstein(ラムシュタイン)は1994年にドイツの首都ベルリンで生まれたメタルバンドで、楽曲のほとんどがドイツ語のバンドには珍しく世界で2,000万枚以上の作品を売り上げた世界的に知られるバンドです。2000年代に世界で最も成功したドイツのバンドと言っても過言では無いでしょう。

ボーカル、ツインギター、ベース、ドラム、シンセサイザーの計6人構成のバンドです。音楽的な特徴はスラッシュ・メタルを彷彿とさせる激しいリフを中心とした楽曲にドイツらしい電子音が融合し、バリトン〜バスに属するの低音ボーカルが特徴的です。インダストリアル・メタルに分類させることもあります。

▼Rammsteinの詳細に関しては以下の記事にもまとめましたので、こちらもご覧ください。

ドイツ・ベルリンを代表するメタルバンドRammstein(ラムシュタイン)のおすすめアルバム紹介

7thニューアルバム「Rammstein」全曲レビュー!

今回リリースされた7thアルバムはタイトルが無題となっており、「Untitled」や「無題」と表記されたり、単に「Rammstein」と表記されます。

本作は6thアルバム「Liebe ist für alle da」から10年ぶりとなるファン待望のニューアルバムです。1曲1曲の特徴をレビューしていきましょう。

リッスン!

(静かになる)

1.Deutschland

本作からの1st シングルにも採用されたのが本作。レトロななプログラミングされた電子音から始まり、ミドルテンポで重厚感のあるオケにボーカルTill Lindemann(ティル・リンデマン)の低音ボーカルが乗るアルバム一曲目に相応しいRammsteinお得意の仕上がりになっています。

曲名の「Deutschland」はドイツ語で「ドイツ」を意味する単語です。 MVでの映像も含め、ドイツの歴史と文化に対する少々国粋主義めいた皮肉的で挑発的な歌詞は物議を醸しました。これもRammsteinらしい演出と言えるでしょう。

総合的にRammsteinらしさのよく出た楽曲です。

▼MVもあるのでこちらもお楽しみください。10分近くあり、かなり力のこもった大作です。

ネクストッ!

2.Radio

本作からの2ndシングルにも採用された2曲目。ベルリンらしいKraftwerkを彷彿とさせるレトロなテクノサウンドに、Rammsteinらしいブリッジミュートを駆使した弾むようなギターリフがねじれるように融合していくRammsteinらしい楽曲です。

こちらもMVを含めて聴くと、ソビエト統治下の旧東ドイツを揶揄するような演出と歌詞が目立つセンセーショナルな楽曲に仕上がっています。

▼ MVもあるのでこちらもお楽しみください。

ネクストッ!

3.Zeig dich

聖歌隊を思わせる4声コーラスにギターリフが融合していくハイテンポな楽曲。コーラスの荘厳さに反して疾走感が心地よく、このアルバムのノリの良いキラーチューンの1つとなっています。

タイトルの「Zeig dich」は「自身を見つめよ」を意味するドイツ語。

ネクストッ!

4.Ausländer

こちらもハイテンポで疾走感のある楽曲。楽曲全体に流れるレトロなシンセと、ダンスミュージック風の演出が光ります。Rammsteinの楽曲としてはありそうでなかった一曲で、味わい深い作品です。

1曲目からこの4曲目まで、非常にキャッチーな楽曲の続く攻めた気持ちの良い展開になっています。

タイトルの「Ausländer」は「外国人」を意味するドイツ語。

▼本作もアルバムリリース後にMVが公開されました。こちらもお楽しみあれ!

ネクストッ!

5.Sex

跳ね回るような三連符のリフレインが気持ちい楽曲。ひたすら「セックス!」と叫ぶサビが爽快です。

歌詞からはRammsteinらしい変態性が滲み出ています。前半の政治的なメッセージの強い楽曲とこの快楽主義的な楽曲との対比についニヤリとさせられます。

ネクストッ!

6.Puppe

アルペジオ(分散和音)を取り入れた異国情緒のある不穏で不可思議な雰囲気が魅力的な一作。アルバムの小気味良いスパイスとして機能しています。ドラムとベースパートが最低限でTill Lindemannのボーカルが全面に出ているのも魅力的です。個人的にこのアルバムの中で好きな一曲です。

タイトルの「Puppe」は「人形」を意味するドイツ語。

ネクストッ!

7.Was ich liebe

こちらもTill Lindemannのボーカルが全面に出た味わい深いバラード調の楽曲。ローテンポでコード感のある聴かせる楽曲に途中から歪んだギターが重なりあい、どこかノスタルジックなサウンドに低音のドスの効いたボーカルが心地よい一作です。

タイトルの「Was ich liebe」は「我が愛しきもの」を意味するドイツ語。

ネクストッ!

8.Diamant

ローテンポでハープや木管などバンドサウンドを排除したRammsteinには珍しい楽曲です。ラブソングっぽいですがどこか悲痛を感じる響きに満ちています。詩人としても活動するTill Lindemannの力量がわかる一作です。

タイトルの「Diamant」は「ダイアモンド」を意味するドイツ語。

ネクストッ!

9.Weit weg

オーソドックスなバンドサウンドで構成されるミドルテンポの王道ロックソング。非常にシンプルなロックサウンドをベースとしつつも、リードシンセとの絡み合いにRammsteinらしさが光ります。

タイトルの「Weit weg」は「遠く」を意味するドイツ語。

ネクストッ!

10.Tattoo

後半を彩るのが疾走感あるハイテンポなこの楽曲です。バスドラムの4つ打ちにジャキジャキと刻むギターリフが重なってノレる出来です。2nnアルバム「Sehnsucht」あたりを彷彿とさせる昔ながらのRammsteinを感じさせるファンには嬉しい一作です。

ネクストッ!

11.Hallomann

最後を飾るのは、アルペジオによる神妙な始まりから王道なバンドサウンドへと展開するコード感の強いミドルテンポのロックソングと思いきや、所々で不穏でどこか不安を覚える響きが差し込まれる意味深な楽曲です。一筋縄ではいかないRammsteinらしい演出とも取れます。

タイトルの「Hallomann」は英語でいう「Hello」と「Man」のドイツ語をかけ合わせた造語。Helloと挨拶する男を示しています。

ネクストッ!

10年もの沈黙を経てついにRammsteinミュージックが帰ってきた!

本作を通して実感したのは、10年もの沈黙の期間を経てようやくRammsteinミュージックが返ってきたということです。Gooooood!

ちなみに、個人的なオススメソングは「Radio」「Ausländer」「Puppe」「Tattoo」です。

本作は極めてRammsteinらしいサウンドが詰まったアルバムで、ファンなら聴けばホッとするような出来になっています。また、まだRammsteinを知らない人でも王道のRammsteinサウンドを堪能できる入門にも良いアルバムに仕上がっていると感じました。

なにより本作のリリースを機に世界ツアーが行われるなどRammsteinの活動が活発になることがファンにとっては何よりも嬉しいです :^D

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。