私の愛しいアップルパイへ
私は日々の知識をナレッジノートとしてZettelkastenメソッドにもとづいて残しています。
この一連のノートは私が今保持しているデータの中で最も重要なデータです。他のすべてのデータを喪失したとしても、このナレッジノートさえ残っていれば良いとすら考えています。
そういうわけですから、Zettelkastenでは永続的に保存可能なツールおよびデータフォーマットを選択することが大切になってきます。
Zettelkastenで永続的に保存可能なフォーマットを採用する重要性
Zettelkastenは(考案者のニクラス・ルーマンがそうしたように)生涯の相棒となる第二の脳を構築することを志向します。そのため、ノートもPermanent notesというその名が示すように、永続的に保存し活用できる形式を採用することが重要です。
これは単に念入りにバックアップしておくだけでは不十分です。愛用しているハードウェアやツールが開発終了したり、サービス終了したりすることも考慮する必要があります。または、あとからより優れたツールが開発されて個人的な願望から乗り換えを望む可能性もあります。
特定の会社の技術やツールに依存することは、それが失われたときにノートも読み取り不可能となったり、完全に読み取り不可能ではなくともリンクなどの情報が読み取れない事態になり得るからです。
つまり、特定の会社への依存が極力ないように、いつでも代替ツールに移行可能な柔軟性がある標準的なフォーマットで保存されていることが望ましいこととなります。
愛用しているツールが独自の形式を採用していた場合にはツールの移行が困難となるので、実質的なデータ喪失に陥ってしまうこともありえます。実際、私は9年ほど愛用していたEvernoteでこれを経験しました。
内的要因か外的要因かにかかわらず、せっせと書き溜めたノートが突然失われることになっては目も当てられません。第二の脳を構築するのではれば、まずこの点に細心の注意を払うべきでしょう。
少なくともノートの保存形式の寿命が、自分の寿命よりも長い必要があります。
特定の会社の技術に依存することなく、柔軟で独自性のある標準的なフォーマットとはどのようなものかは次回お話しすることにしましょう。
貴下の従順なる下僕 松崎より