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私の愛しいアップルパイへ
去年の末(2014年末)頃から、ブログやSNSなどで多方面から「マインドフルネス」という単語をよく聞くようになりました。
なんとなく瞑想とかやるものっぽいという程度の曖昧な認識だったのですが、せっかくなので以下のようなことについてきちんと調べてみることにしました。
- 1.マインドフルネスが注目されたきっかけは?
- 2.マインドフルネスって結局なんなの?
- 3.なぜ今マインドフルネスが必要なの?
- 4.マインドフルネスになるとどんな良いことがあるの?
- 5.どうすればマインドフルネスな状態になれるの?
- 6.参考になる資料や記事は?
1つ1つ見ていきましょう。
1.マインドフルネスが注目されたきっかけは?
「マインドフルネス」は2007年ころから欧米の大手企業が教育や人材育成に取り入れはじめたことによって、世間的に注目が集まりはじめたようです。
グーグルやインテル、アップル、ゴールドマン・サックスなどが社員研修として「マインドフルネス」を取り入れています。
その後、メディアでもマインドフルネスに注目が集まりはじめ、2014年1月にハフィントンポストにマインドフルネスの記事が掲載されています。その後、同年2月には米「Time (タイム)」誌の表紙を飾りました。
それから日本にもその流れが来たようで、様々なメディアで取り上げられながら2014年11月にはNHKニュース「おはよう日本」で特集が組まれ放送されました。いまでは各出版社から多数の著書も出版されています。
2.マインドフルネスって結局なんなの?
マインドフルネスは禅の考え方を基礎としています。禅や瞑想から宗教色を除き、人材育成のために科学的に取り入れたものといえるでしょう。
では、禅や瞑想のどんな考え方を取り入れているのか簡単に説明すると「いま目の前で起きていることに意識を集中すること」です。つまり、瞑想しているときのように、心を落ち着けて、自分の状態を自覚して、目の前で起こっていることに集中することで、人の能力を最大限発揮できる状態にしようというわけです。
ちなみに、瞑想のなかでも特に気づきや洞察に重きをおいた「ヴィパッサナー瞑想」が土台となっているそうです。
また、英語の「mindful」の意味を辞書でひくと「心に留めて」や「忘れないで」、「注意して」と訳されています。この形容詞にnessがついて、「心に留めている状態」「注意している状態」という意味の名詞になります。
漢字ではマインドフルネスは「念」と訳されます。その字のとおり、「心」を「今」に留めるということです。
3.なぜ今マインドフルネスが必要なの?
マインドフルネスが禅にもとづいているということは、考え方自体は随分と昔からあったことになります。
これがなぜいま社会的に注目されているかというと、我々がいま目の前で起きていることに意識を集中できない環境に身を置いているからだということでしょう。
ITやインターネットが発達したことで、場所にとらわれずに様々な情報を扱えるようになりました。また、いつでもどこでも仕事ができるようになり、仕事量が増加しているともいえます。
また、働くことについての価値観が多様化し、いま目の前の仕事だけに集中しづらくなっていることもあるでしょう。
便利になったのはいいが、できることが増えすぎていま目の前の1つのことに集中できなくなった人が多いのではないでしょうか。そこで流れ者のシェーンのごとく突如あらわれたのが「マインドフルネス」というわけです。
4.マインドフルネスになるとどんな良いことがあるの?
マインドフルネスが私たちの生活をどう変えてくれるのかを考えていきましょう。
便利になったのはいいが、できることが増えすぎていま目の前の1つのことに集中できなくなったとは、どういう状態でしょうか。
例えばこういう状態です。
- 重要で負荷の高い仕事に取り組もうとすると、どうしてもSNSへ脱線してしまう
- 休日なのに家で仕事をしていて、家庭と仕事のどちらにも集中できずにストレスがたまる
- 任されている仕事や発生中の問題が多すぎて、常に漠然とした不安を抱えている
- 仕事中、いま担当している仕事にやる気が出ず、いつも転職することばかり考えている
- 気づいたらメールを返信するだけで一日が終わっていた
1つくらいは思い当たるものがあるのではないでしょうか。これらに共通しているのが何かというと、反応的になっていることです。つまり、いずれも外部からの刺激にたいして条件反射的に反応してしまっている状態でしょう。
これを改善するためには、一度心を落ち着けたり、自分の感じていることに自覚的になったりすることで、主導権を自分のもとに取り戻すことが必要になるのです。
マインドフルネスの考え方は、自らの主体的な選択のもとでパワフルな生き方をするために有効なのです。
▼以下の記事ではさらにマインドフルネスの効果について深掘りしているので、あわせてお読みください。
5.どうすればマインドフルネスな状態になれるの?
マインドフルネスは考え方を理解したからといってすぐにできるものではなりません。日々のトレーニングを積み重ねることによって、いまこの瞬間に集中する力を身につけていく必要があります。
では、具体的に何をすれば良いのでしょうか。最も一般的なのは瞑想を日常生活に取り入れる方法でしょう。
朝晩や昼休憩のときなど、静かな空間で目を閉じて15分ほど瞑想する習慣を取り入れてみるのです。「いまこの瞬間に集中してみること」が目的なので、瞑想のやり方も正式なものでなくて良いでしょう。
▼私が実践しているのは以下の書籍に書かれている方法です。宗教色もなく、数ステップでできる簡単な瞑想方法なのでオススメです。
その他にもっと簡易的な方法として、「食べ物を1口1口味わって食べる」とか「歩くことに集中しながら出勤する」といった方法もあるようです。
やり方はマインドフルネスについて書かれた記事や書籍が多数書いてあるので、読んでみて自分にあったものを取り入れてみると良いでしょう。
6.参考になる資料や記事は?
マインドフルネスについて調べるにあたって参考にした資料や記事をご紹介します。ご参考にどうぞ。
▼Wikipediaで「マインドフルネス」のリンクをクリックすると、以下の「サティ」という項目にジャンプします。マインドフルネスの考え方が分かりやすく書かれています。ちなみに、「サティ」はサンスクリットの言葉であり、英語のマインドフルネスと同義です
サティ (仏教) – Wikipedia▼ライフハッカー[日本版]の以下の記事では、マインドフルネスの概要から効果、実践方法まで分かりやすくまとめられています。 記憶力や免疫力をも上げる? 「マインドフルネス」とは結局何なのか | ライフハッカー[日本版]
▼NHKニュースで「マインドフルネス」が特集されたときの番組の内容をまとめたものです。日本人的な解釈なので入りやすいです。
▼マインドフルネスの根幹をなす「自覚」について、目的や効果について詳しくまとめられた研究論文「自覚の臨床教育学序説」です。瞑想による自覚がどのような目的や効果を発揮するのか詳しく書かれていて参考になります。マインドフルネスはもちろん、そのもととなった「ヴィパッサナー瞑想」についても取り上げられています。
▼私がマインドフルネスについて調べようと思ったきかっけの本です。マインドフルネスとリーダーシップをかけあわせて書かれたユニークな一冊です。
「マインドフルネス」について分かっていただけたでしょうか。今後、取り組んでみた結果についてご報告します。
貴下の従順なる下僕 松崎より