つまらない人生にうんざりしたら読む記事 5: 第三の問題→あんたと世界は別物だった

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前回までのjMatsuzaki

松崎少年に「人生がつまらないのは、あんたに問題が3つあったからだ」と雄弁に語るjMatsuzaki。1つ目の問題は、世界からの要求に応え続けた結果、人生が窮屈になったこと。2つ目の問題は、世界から自分の存在が軽視されたことで冷めた人間になったこと。

続いて3つ目の問題について語りはじめるjMatsuzaki…

第三の問題→あんたと世界は別物だった

決定的な問題がこれさ。あんたと世界は別物だったってことだ。

あんたが世界の要求に答えようって張り切ってたころ、世界の要求は同時にあんたの要求でもあった。

困難な要求でも、自分を自制して、自分をコントロールして、みごとに要求に応えることが仕事だと思ってた。それが美徳だった。そりゃあみごとな仕事だったよ。だが、それ自体が落とし穴でもあった。

あんたの生き方はまるで、丸い筒に四角い物を無理やり詰め込むような生き方だった。人とは体つきも性格も考え方も感じ方も違うのに、無理やり世界の要求に合わせるように努力した。

でもなぁ、当然ながら世界とあんたは別物だ。人間ってのは誰かの要求に応えるようにはできてねぇ。枠からはみ出て削ぎ落とされていくのは紛れもない自分だ。それもな、自分の感情や願望、衝動や欲求だ。

自分を削ぎ落としていくことで、自分を信頼できなくなった

おっと、勘違いするなよ。あんたが自分の一部を削ぎ落としちまったこと自体は大した問題じゃねぇ。一番の問題はな、あんたが自分の一部を削ぎ落としながら騙し騙し生きる罪悪感に目覚めちまったことさ。

あんたは世界に自分の価値を認めてもらいたかった。だから、世界にあわせて自分を変えていった。一方で、そんなふうに変わっていく自分自身に価値を認められなくなっていった。皮肉なもんだぜ。

世界にとって正しく生きるために、自分にとって罪な生き方をしてたんだからよ。あんたはどこかでずっと罪悪感を感じてたんだ。自分を偽ってることになぁ。

 

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システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。