7つの習慣以来の衝撃!史上最強の人生戦略マニュアルの要約と感想

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私の愛しいアップルパイへ

ひどい吹雪の夜の話をしましたっけ。ありゃあまったく最悪のできごとでした。私は私の愛する夢見るリアリストのために講演に向かう途中だったのです。外に出て愛車を見ると…いや、そんなことはどうでもいい。本題に入りましょう。

「史上最強の人生戦略マニュアル」という本をご存知でしょうか。著者はフィリップ・マグローという方で、全米で400万部を突破した1999年の名著「Life Strategies: Doing What Works, Doing What Matters. New York」を翻訳した一冊です。



はじめて7つの習慣を読んだときのような衝撃を受けました。ものの見かたが変わっていくあの感覚です。実際、この本を読んで私は自分のミッション・ステートメントを大幅に書き換えたくらいです。この衝撃的な一冊をあなたにオススメせずにいられません。

問題がひとりでに解決することは、絶対にない

まず著者は市民ケーンのごとく雄弁にこう語ります。

問題がひとりでに解決することは、絶対にない

著者は私たちが陥りがちな罠についてこう警告します。

あなたにとって問題があるなら、もちろんその問題を気にかけるべきだ。それだけでなく、自分の身に降りかかったことが正当か不当か、くよくよ考えるような状態に、はまり込まないように気をつけないといけない。不当なことであっても、それはそれとして、対処しなければいけないことに変わりはないのだ。

第一章 問題がひとりでに解決することは、絶対にない

力強い言葉です。単に力強いだけでなく真実をあらわしています。私たちに振りかかるできごとは理不尽極まりないものかもしれません。しかし、その理不尽なできごとに対処するかどうかは常に自分の責任です。

自分の扱いが正当か不当かなど関係なく、望みのものが手に入っていないならば、自ら立ち上がるしかないということです。自分が立ち上がらなければ、自分の代わりに立ち上がってくれる人などいません。苦役を背負う駱駝としてではなく、望みのものを自ら勝ち取りにいく獅子にならなければいけません。誰かが立ち上がってくれるのを待っていられるほど、望みのものが手に入るまで悠長に待っていられるほど、人生は長くありません。

本書は、私たちが人生に望むものを手に入れるために、あらゆる問題に取り組むにあたって必要となる戦略の立て方を教えてくれます。もし、いま問題を抱えているなら必要な一冊でしょう(そして、問題を抱えていない人など1人もいないはずだ!)。

史上最強の人生戦略マニュアルが教える10の法則

本書は「問題がひとりでに解決することは、絶対にない」という真実にのっとり、問題を解決に導く(もしくは望みのものを手に入れる)戦略の立て方を10の法則として教えてくれます。

本書で紹介したい部分は無数にあるのですが、今日はこの10の法則を一通り簡単に紹介することにしましょう。

人生の法則1 ものがわかっているか、いないか

ゲームに勝ちたいと思ったら、そのゲームのルールを正しく理解しなければならないでしょう。ルールも知らずにゲームをやろうと思えば、努力虚しく敗退するしかありません。最も危険なのは、情報が欠落しているのではなく、情報が誤っている状態でゲームを進めてしまうことです。これは人生というゲームにも当てはまります。

そして数あるルールのなかでも、人がなぜそのような行動をするのか?もしくはしないのか?の理由を探求することは、人生戦略を立てるうえで最重要なことです。

ネクストッ!

人生の法則2 人生の責任は自分にある

コントロールなどしようのないできごとが身に降りかかることもあるでしょう。しかし、どんなに理不尽なことが起きたとしても、反応は自分で選ぶことができます。例外なく、自分の人生に起こったことは、この自分の反応を直接の原因としています。

ときに責任を受け入れるのは難しいことかもしれません。自分は犠牲者だと思いこみたくなるかもしれません。しかし、自分の人生の責任を受け入れなければ一歩も前に進むことはできないでしょう。問題がひとりでに解決することは、絶対にないのですから。

ネクストッ!

人生の法則3 人はうまくいくことをする

どんな悪癖であっても、見返りを得ているからこそ続けているものです。それは、動物的な快楽かもしれませんし、現実逃避による安堵感かもしれません。やりたいことができない場合も同様です。やらないことで心地いい見返りを得ているのでしょう。

重要なのは、いまの行動から得ている見返りを特定すれば、それをコントロールすることもまた可能だということです。

ネクストッ!

人生の法則4 自分が認めていないことは変えられない

どんなに大きな問題を抱えているにせよ、自分でその問題を否認しているうちは対処しようがありません。確かに、自分に問題があることを認めるには勇気がいるでしょう。だからこそ人は「どうにかうまくやっている」という幻想のなかで生きながらえようとします。

勇気をだして問題をありのまま真正面から認めたときにだけ、問題は解決に進みます。食べ過ぎであることを認めなければダイエットができないように、人は自分で認めていることしか変えられないのですから。

ネクストッ!

人生の法則5 人生は行動に報いる

望みのものを手に入れるために必要なのは唯一「行動」だけです。人々が自分のことを評価する際に判断基準とするのも唯一「行動」だけです。勝者と敗者の違いがあるとすれば唯一「行動」だけです。「そうするつもりだった」としても、なんの意味もありません。

どれだけ知識があっても、どれだけ判断力があっても、どれだけ理解していても、行動しないならなんの価値もないということです。ですから、重要なのは次のように自分に問いかけることです。「今しないなら、いつするのか?」

ネクストッ!

人生の法則6 事実なんてない。あるのは認識だけ

なにが起きようと、どう解釈するかは自分次第です。人生では様々なできごとが起こるでしょうが、それはすべて自分独自のフィルターを通して自分独自の意味づけをしています。つまり自分の反応というのは、事実にもとづいているのではなく、認識にもとづいているということです。

1つの事実に対して否定的な認識のしかたをしていれば、消極的な行動になるかもしれません。肯定的な認識のしかたをしていれば、積極的な行動にでるかもしれません。大切なのは、事実は変えられなくても認識は変えられるということです。

ネクストッ!

人生の法則7 人生は管理するもの。癒すものではない

ガチョウと金の卵の話はご存知でしょうか。1日1個ずつ金の卵を産むガチョウを見つけた農夫が、金塊欲しさにガチョウの腹を切り裂いて殺してしまうという寓話です。目先の利益のために、利益を生み出す資源を無視するなという教訓が詰まっています。

自分が金の卵を産むガチョウを飼っているとして、定期的に金の卵を産めるようガチョウを管理しているでしょうか。それとも目先の欲求のために流れに身を任せて、自分のなかにいるガチョウを殺してやいないでしょうか。自分こそが一番大切な資源であることを忘れないことです。

ネクストッ!

人生の法則8 私たちは自分の扱い方を人に教えている

人間関係において、私たちは日々のやり取りのなかで自分の扱い方を相手に教えています。ある人から望ましくない扱いを受けていると感じているとしましょう。それは相手が間違った行動をとっているのではなく、そのような扱いをしても問題ないと自分が教え続けてきた結果だということです。まるで双方合意の契約を結んだかのように。

自分が扱い方を相手に教えてきたのであれば、その契約を変えることもまた可能だということです。勇気をもって行動することで契約は変更できます。

ネクストッ!

人生の法則9 許しには力がある

人の感情のなかでもとりわけ高い危険性をはらんでいるのは憎しみや怒り、憤りの感情です。これらの感情は自己破壊装置になりかねません。憎しみを抱き続ければ、高い代償を払うのは自分自身になるでしょう。

とても許せない罪を犯されたことがあるかもしれません。しかし、その罪に憎しみという解釈で反応しようとするなら、自分がその罪に縛り付けられることになります。「人生の法則6 事実なんてない。あるのは認識だけ」の通り、解釈は変えられるのです。罪を犯した相手を許すことは、相手のためではなく、自分を解放するために必要なのです。

ネクストッ!

人生の法則10 自分が求めているものをしり、要求する

自分の人生において手に入れられるのは、最高でも自分が求めるものでしょう。もし自分の本当の望みが分かっていなければ、それを手に入れることも要求することもできません。人生は間違いなくチャンスであふれていますが、自分にとっての成功がなにか分かっていなければチャンスに気づくことすらできません

自分の夢、ミッション、目標、ビジョンを特定しましょう。どんなに大きな要求であろうと臆せず見定めましょう。そして「なぜそれが欲しいのか?」を何度も何度も自問自答することです。そうすれば、気がついたらまったく間違った場所にたどり着いていたなんて事態を防げます。

ネクストッ!

現実を真正面から突きつけてくれる希望の一冊

この本は劇薬かもしれません。そこらじゅうに厳しい言葉が並んでいて、優しく声をかけてくれるなんてことは一切ありません。しかし、決して表現がオーバーというわけではなく、私たちが都合よく目をそらそうとしてしまう現実を真正面から突きつけてくれるものでした。そして、現実的に問題へ対処する方法を手取り足取り丁寧に教えてくれる一冊です。確かに厳しい内容なのですが、同時に希望あふれる内容でもあります。

7つの習慣で例えるならば、7つの習慣の「プロローグ」~「第二の習慣 終わりを思い描くことから始める」に厚みを加えてくれるものだと感じました。

さらに、本書の最後には大きなワークがあり、そのワークを通して自らの人生戦略をイチからたてられるようになっています。「人生の法則5 人生は行動に報いる」の通り、単に知識を増やすのではなく、行動を通して人生戦略を見つめ直せる一冊です。面倒くさがらず、ワークにもきちんと本腰入れて取り組むのがオススメです。

▼かくいう私も、本書を何度も行ったり来たりしながら、数ヶ月かけて自らのミッションを見直しました。その結果については以下の記事をご一読ください。

本書との出会いは決して忘れられないものとなりました。そしてこれからも何度も何度も読み返す本になるでしょう。

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。