西ベルリンで友人のスマホが目の前ですられたので手口とその後の対応についてまとめます

私の愛しいアップルパイへ

ドイツ・ベルリンに移住してから5日ほどが経ち、まだこちらでの生活に慣れたとは言い難いですが、その刺激的な生活に概ね満足しています。

私の細やかな生活における最近起きた大きな事件の一つは、目の前で友人のスマホ(しかも半年くらいしか使ってないiPhone X!?)がすられたことです。せっかくなので、その手口とすられてから対応したことを備忘録としてこの愛すべきブログに残しておきます。あなたにはそんな経験して欲しくないですからね。

※その友人に記事にする許可をもらったところ「自分のミスを他の人のために役立てて…」とのことでしたので、こと細かにまとめていこうと思います

カンパをねだる浮浪者のフリをして忍び寄るスリの手口まとめ

気持ち良さそうだからとテラス席を選んだのが命取りに…

場所はベルリンの中心地にほど近い西ベルリンで、とても都会なところです。街並みも素晴らしく綺麗で、治安の良さを感じる場所でした。

我々はコワーキングスペース「WeWork」に行く途中でKFCで食事をすることにしました。天気が良かったのでテラス席に行くことにしました。すでにテラス席には多くの旅行者および現地のビジネスマンと思われる人々が座っていたこともあり、危機意識が甘くなっていました。

▼こちらがそのテラス席。事後撮影したので人はまばらですが、我々が使用していた昼時はもっと多くの人がいました。

▼この角のテラス席に座っていたのですが、角だったので狙いやすかったのでしょう…

観光スポットを調べているうちにテーブルの上にスマホを置いたままに…

我々は食事をしつつ、近くのモニュメントは建築物について話していました。近くにはカイザーウィルヘルム教会などがあり、我々は興味深げにその歴史をスマホで調べていました。

テーブルの上にスマホを置いて調べているうちについそのままテーブルの上にスマホを置きっぱなしにしてしまいました。

▼事後撮影ですが、イメージ的にはこんな感じで手の横に。KFCの食事の横にスマホが置いてありました。

大変迂闊ではありましたが、テラス席の解放的な雰囲気と、他の現地人と思われるドイツ人たちもスマホをテーブルに置きながら談話していたことも相待って、危機意識が緩んでいました。

ちなみに友人は最初首から下げるタイプのスマホケースをずっと持っていたのですが、そのケースに不良があって返品した直後の出来事でした…やはりiPhone Xなど高価なスマホは特にずっと身につけておく必要があると実感しました。

寄付を募る浮浪者のフリをして忍び寄るスリ…

我々二人は対面に座っていたのですが、突然友人の背後に見るからに身なりが汚い感じの浮浪者と思われる女性が忍び寄ってきました。国籍は不明ですが、東欧の人だったと思います。

彼女はボソボソと何かを言いながら(たぶん英語では無かったようで聞き取れず。聞き取れないように話すのも手先に意識を向けさせないためだったのでしょう)、右手に英語で何かを殴り書きしたようなA4ほどの紙を、左手にはいくらかの小銭を握っていました。

彼女はA4ほどの紙を友人のiPhoneの上において寄付をねだり始めました。その時点でiPhoneが視界から消えたことに気がつけば良かったのですが、ボソボソと喋る女性の表情と左手で小銭をチャリチャリと鳴らしている動作に気を取られ、まったく気がつきませんでした。また、我々は食事中だったこともあり、早く立ち去って欲しいという気持ちから目を背けがちになっていたのもいけませんでした。

▼イメージ的にはこのような感じで、右手に紙、左的に少量の小銭という形でした。

我々は「No, Sorry.」と言いながら寄付を拒んでいましたが、思ったより粘ってきました。それもそのはず、紙の下では獲物を飲み込むパイソンのように着々とiPhone Xを袖の下にでも移動していたのでしょうから。ガッデム…!

結局我々はiPhoneが取られたのも気がつかず(ちなみに友人のiPhoneのすぐそばには私のiPhoneも置いてあった…)、「あれで寄付とか集まるのかな?」などと素っ頓狂な会話を繰り広げていました。30秒〜1分後、友人が自分のiPhoneが見当たらないことに気づきましたが時すでに遅し…

そういうわけで以下のようなことから私たちは狙われるべくして狙われたのでしょう。

  • 誰でも近寄れるテラス席に座っている
  • ヨーロッパにアジア人という明らかに旅行者風
  • テーブルの上にスマホを置きっぱなしにしている
  • 売ると高価な最新のスマホを使っている

スマホ(iPhone X)をすられた後にやったことまとめ

かくしてまんまとiPhone Xをすられてしまった我々ですが、その後にやったことをまとめておきます。ちなみに現時点でそのiPhone Xは見つかっていません。

iPhoneを探す&紛失モードの設定

まずはiCouldにログインし、iPhoneを探す」からiPhoneの所在の確認と紛失モードの設定を行います。

iPhoneを紛失モードにすることで、iPhoneをロックできるとともにiPhoneの画面にカスタムメッセージを表示することができます。なお、今回は明らかにすられたので、メッセージを表示しても無駄だろうとカスタムメッセージの設定はしませんでした。

「iPhoneを探す」でiPhoneを確認したところ生憎オフラインだったのですが、十数分ほど眺めていたら件のiPhoneが突然オンラインに!車なのか電車なのかすでに数キロ先まで移動していたので、完全にすられたのだと分かりました。

なお、探しに行こうとも思ったのですが、iPhoneはその後すぐにまたオフラインになってしまいましたし、犯罪者は集団の可能性が高いですから、私たちで向かうのも危ないと思い探しに行くのはやめました。

また、iCloudからはiPhoneのデータを消去することも可能です。iPhoneのデータ消去を行うとGPSによるiPhoneの追跡ができなくなりますが、友人は2日ほど経ってもうiPhone Xが返ってくる可能性が低いと分かり、iPhoneのデータ消去を行いました。その後、次にオンラインになったタイミングで無事にデータ消去が実行されたそうです。

最寄りの警察署へ届け出をする

iPhoneの紛失モードを設定したら、続いて最寄りの警察官に届け出を行いました。調書の記入とiPhoneの型番などを伝えておくことで、もし警察署にiPhoneが届けられた時に連絡をしてもらえます。

なお、スマホ紛失の届け出をする時には「MEID」と呼ばれるユニークな番号(シリアル番号とは別の14桁ほどの番号)が必要になるので、事前にメモしておくと良いでしょう。MEIDは本体だけでなく、製品の箱にも記載されているので、万が一紛失時にMEIDが分からなかった場合は箱を確認しましょう。

ちなみに、一応iPhoneを最後に検知した場所なども伝えて同行してくれるかお願いしたのですが、すでに最終検知の場所で20分ほど前にオフラインになったまま音信不通状態だったこともあり、そこまではやってくれませんでした。

ただ、我々の片言の英語でも終始とても丁寧に対応してもらい、不明点に細かく回答してもらったり今後の対応についてもアドバイスをくれたりと、ベルリンの警察官はとても印象が良かったです。

使用しているアカウントのパスワードを片っ端から変える

警察署への届け出が終わったら、iPhoneが悪用されないようにインストールされているアプリや連携されているサービスのアカウントのパスワードを変更していきます。

特に最低限以下のサービスのパスワードは変えておいたほうがいいでしょう。

  • iCloud
  • Google
  • Twitter
  • Facebook
  • Amazon

プロバイダで回線を止めてもらう

最後にプロバイダに連絡して回線を止めてもらいます。友人はプリペイドSIMカードを使っていたのですが、念のためプロバイダに連絡して回線を止めてもらいました

友人の名義でSIMカードの容量を買い足されたり、その回線が他の犯罪に悪用されないようにするためです。警察官はApple Storeでも停止を受け付けてくれると言っていたのですが、実際にApple Storeに行ったところSIMカードのプロバイダに直接言ってくれと言われたので、プロバイダに連絡して回線を止めてもらいました。

海外保険で保障されるか窓口に確認する

加入している海外保険の種類によってはスリなどの盗難を保障してくれる保険もあります。場合によってはすられた物品の代金が現金でキャッシュバックされるかもしれません。

そのため、加入中の保険の種類を確認し、窓口に確認してみると良いでしょう。クレジットカードにも海外旅行保険が付帯しているものは多いですから、所有しているクレジットカードの保険についても確認するのを忘れないでください。

クレジットカードの海外保険の適用条件は複雑で、飛行機のチケット購入に使ってないと駄目だったり、旅行先の公共機関にクレジットカードを使っていれば良かったり、会社やカードの種類によってもマチマチです。条件文を読んだだけで諦めず、直接窓口に電話してみるのが良いでしょう。

ちなみにこのiPhone Xをすられた友人はクレジットカードに付帯していた海外保険が適用されて10万円近く(ほぼiPhone Xの定価額!)キャッシュバックしてもらえました。これには精神的にもとても救われました。感謝、感謝、三たび感謝!

治安の良し悪しに関わらずスリはいるので気をつけよう!

そういうわけでベルリン移住5日目にして早速犯罪に巻き込まれてしまったわけですが、我々の危機意識の甘さを反省せざるを得ませんでした。むしろiPhoneを取られただけで済んでよかったです。

場所に限らずスリは発生するものなので、これから外出時は最新の注意を払おうと神に誓いました。

貴下の従順なる下僕 松崎より

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システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。