jMatsuzaki株式会社の規模を拡大して偉大な会社に作り上げる覚悟が決まった

私の愛しいアップルパイへ

2017年10月に我が愛すべき会社「jMatsuzaki株式会社」を設立し、めでたく二年目に入りました。この一年は拠点をベルリンへと移したり、自社サービスを積極的に事業化したりしてきた実験的な一年でした。

jMatsuzaki株式会社が一周年を迎えたので社長一年目の振り返りなど

設立から一年、実行に移すか悩んで手を出してこなかったことがあります。それは会社の規模拡大です。もともと3人のフリーランスが集まって、主に節税対策のために立ち上げたような面があるので、会社を立ち上げて拡大していこうといった考えは薄いものでした。

フリーランスの限界が身に染みた6年

というのも、フリーランスの自由と自立と変化による刺激を享受できる働き方は気に入ってましたし、会社を大きくすることで作曲を中心とした私の細やかな人生の素晴らしい生きがいに割ける時間が減るような事態に陥るのは御免だったからです。

そのため2012年にフリーランスになってから今まで事業内容の選定には特に注意しており、現在はほぼ100%自社サービスのみで事業が成り立っています。

しかし、会社を飛び出して独立してから6年、フリーランス的な働き方に限界を感じてきたのも事実でした。マンパワーに限界があるため事業の幅は極めて限定されますし、事業の幅が限定されると実験的な事業を増やすことができず事業の進化が停滞してしまいます。

現在、役員3名とそれ以外の約10名ほどの頼れるカウボーイたちとやりとりしながら事業を回していますが、事業規模が小さいと巻き込めるメンバーが限定され、人と人が繋がって初めて生まれるシナジーとセレンディピティの起こる可能性も下がります

また、ありがたいことにライフエンジニアを中心に私の事業を手伝ってくれると申し出てくれる人が後を絶たず、実際にかなりの部分で手伝ってもらっているのですが、どうしても人が増えてくると報酬として支払える額に限界が出てきます。

もちろん金銭のような有形資産による報酬ではなく、知識や経験、人脈などの無形資産による報酬を返すことはできますし、それは素晴らしい価値を持っていると確信しているものの、やはり金銭的な還元がもっとできればなと感じるケースも増えてきました

人によっては生活を切り詰めて我が事業に多くの時間を割いてくれているカウボーイもあり、自らの無力さに涙する日もありました。

とはいえ会社を大きくする意義は本当にあるのだろうか…?

とはいえ、「会社を大きくする意義は本当にあるのだろうか…?」という疑念が根強く、会社の規模拡大については消極的な態度でした。

というのも、その背景として新卒で入った会社でのうんざりするような体験がありました。大きな会社や会社の成長に対して「事務的」「機械的」「束縛」といったステレオタイプなイメージと紐づいてしまっていたのです。

システムエンジニアとして働いていたサラリーマン時代は仕事に対して理念がなく、やりがいもなく、人間味が欠けており、主体性がない日常を感じていて、鬱屈としながら月曜日を迎えるような生活であったため、フリーランス的な働き方のほうがやりがいがあって自由で自律的で幸福だと感じるようになっていたのです。

誤解のなきようにいえば、私の勤めていた会社は決して悪い会社ではありありませんでした。むしろ間違いなく良い会社でした。そして良い会社であるというまさにそのことが私をウンザリさせていたのでした。

良好(グッド)は偉大(グレート)の敵である。偉大だといえるまでになるものがめったにないのは、そのためでもある。

偉大な学校がないのは何よりも、良い学校が多いからだ。偉大な政府がないのは何よりも、無難な政府があるからだ。偉大な人生を送る人がめったにいないのはかなりの部分、平凡な人生に満足すれば気楽だからだ。偉大な企業がめったにないのはまさに、ほとんどの企業がそこそこ良い企業になるからだ。ここに、大部分の企業の問題がある。

ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則 by ジム・コリンズ

たとえ自分の会社だったとしても、外部資本が入れたり、受注案件を増やしたり、従業員や関係者が増えてきたり、責任が重くなってくると、ただの良い会社にまとまってしまい、結局は当時のような不本意な働き方にまた逆戻りしてしまうのではないかといった不安感がありました。もっといえば私が何よりも大切にしているミッション・ステートメントと矛盾するような事態に陥るのは何よりも避けたいことです。

ですから、法人化した後も我が会社を大きくすることについては極めて慎重に検討していました。会社を大きくすることが本当に意義あることなのかが確信できなければ、意味ないですから。

jMatsuzaki株式会社を偉大な会社に作り上げる覚悟が決まった

現実的には会社の規模を大きくしたいが、会社の規模を大きくすることで美学に反するのは避けたいものです(そして過去の経験から極めて具体的にそのイメージできたのです)。

根っからの夢想家である私にとって、このような状況は実に歯がゆいものでした。しかし、ここで思考を止めなかったのがこのjMatsuzakiの偉いところです。

果たして、理想的な事業と働き方を維持しながら、会社を大きくする方法は本当にないのでしょうか?大企業に対して抱いている「事務的」「機械的」「束縛」といったイメージは本当に先入観といえないのでしょうか?否、否、三たび否!

これまで数え切れないほどのホモ・サピエンスが誕生し、グルメな私を魅了してやまないサピエンスたちが数え切れないほど居る中で、このような問題を解決した人が居ないわけがありません。そして、調べ始めてみると、このようなジレンマを解決した偉大な会社がいくつもあったことを知りました。

そして、かつて他の誰かが実現できたのであれば、私にできない理由はありません。かくして私は自分の無知を認め、jMatsuzaki株式会社を偉大な会社に育てる覚悟を固めました。今なら理想を現実化できるかも分からないうちに、しかし好奇心のままに放浪の旅へと出たニール・キャサディの気持ちがよく分かります。

このjMatsuzakiめの新しい冒険の1つをお楽しみにください。なぁに、ご安心ください。なにか新しい発見があれば随時この愛すべきブログからあなたへと連絡しますから。

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。