▼動画版もご用意したので、ながら聞きなどは動画版をご覧ください :^D
私の愛しいアップルパイへ
G・T・D!G・T・D!
今でも思い出します。上質な生卵の黄身のように艶やかな橙色に輝く太陽に向かってそう叫んだ日のことを。
なにかっていうと、「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」を貪るように読んで、GTD (Getting Things Done)という革命的なタスク管理メソッドに触れたときのことです。
今ではGTDはタスク管理手法の王道の1つとして知られており、その考え方はGTDに限らず様々なライフハック系の手法に浸透しています。いわばタスク管理界のビートルズです。デビッド・アレン氏がジョンで、田口 元氏がポールってところでしょうか。
では、GTDの何がそんなに革命的だったのでしょうか。今日はそれを解説しようと思い馬を走らせてきました。
▼GTDとは、以下の書籍で紹介されているタスク管理メソッドです。
タスク管理メソッドGTD(Getting Things Done)の何が革命的だったのか?
情報整理フローという革命
GTDでは「情報整理フロー」が提示され、日々発生する様々な情報を整理する流れを簡潔に教えてくれます。
情報がまずinboxに保存され、いくつかの分類ルールに基づいて整理されていく分かりやすいフローチャートは実に華麗でした。
この情報整理フローは革命的でした。誰もが日々膨大な情報を処理しなければならない現代に、情報の波に飲み込まれることなく、情報を主体的に整理する鍵がここにあります。
そのうえ、GTDという考え方の極めて実践的なやり方と重要なエッセンスがこの1つの図に凝縮されているという点でも革命的な図でした。
しかも、フローは誰でも分かりやすく理解しやすい形で図示されているのです。Greeeeeat!
脳内メモリの解放という革命
GTDでは脳のリソースをパソコンのパーツに例えて「脳内メモリ」と呼びます。
メモリとは、パソコンが作業のために使う作業デスクのようなもので、メモリが逼迫すると作業が如実に遅延するようになります。また、もう使わなくなった作業ファイルがメモリ上に放置されていると「メモリリーク」といい、パソコンのパフォーマンスを下げる主たる要因になります。
GTDではこの概念を脳にも適用します。つまり、脳の中にある「気になること」が作業のために必要なスペースを逼迫させているというわけです。ですから、気になることを全て外に書き出すことで脳内メモリを節約し、いつでも参照できるように整理することで、いま本当に集中すべきことに全力で集中できるようになるのです。
この気になることの管理を外部システムに預け、脳内メモリの節約するという概念は非常に分かりやすく人々に浸透しました。頭の中をすべてを書き出すこととタスク管理を掛け合わせたことは本当に革命的でした。
収集・整理・実行を分けるという革命
GTDでは情報整理フローにのっとると自然に情報の「収集」「整理」「実行」のタイミングが別れることになります。
情報を収集するときにはそれだけに集中し、情報整理の時にはそれだけに集中し、整理されたタスクを実行する時にはそれだけに集中します。
普通の人はこれらのタイミングを同時に実行してしまうことで脳内メモリを消費します。整理が面倒だから情報の登録を怠ったり、整理できていないことで実行を先送りしたりといった具合です。
収集、整理、実行のタイミングを分けることでネクストアクションに没頭しやすくするのは革命的な考えでした。
週次レビューという革命
タスク管理を手法としてではなくシステムとして捉え、定期的にシステム内の情報を点検する「週次レビュー」の必要性を訴えたのもGTDの功績です。
タスク管理システムに登録されている情報はいつも正確に更新できるとは限りません。むしろ多忙を極めたときや突発的にタスクが割り込んできたときなどは情報の更新漏れが発生するが常ってものです。
しかし、タスク管理システムが信頼できないのならタスク管理の効果性がぐんと下がってしまいます。結局は脳内メモリに頼らざるを得なくなってしまうためです。
この問題をGTDでは週次レビューというルーティンを導入することで華麗に解決しました。週に一度タスク管理システムをメンテナンスする専用の時間を確保し、情報整理フローに基づいてタスク管理システムに登録された情報を最新にアップデートするのです。
他のタスク管理手法でもGTDのうち週次レビューの考えが流用されていたりと後世に革命的な影響を与えました。
仕事効率化の先にフォーカスするという革命
正直に告白するなれば、当時、私は仕事効率化という言葉が嫌いでした。そもそも私は仕事したくなかったので、仕事を効率化して時間に余裕を持たせたところで新しい仕事が降ってくるだけにしか思えず、それは全くハッピーではなかったからです。
ですから、わざわざ仕事効率化なんぞするよりはそこそこの難易度の仕事をまったり進める方がずっとマシだと考えていたのです。タスク管理という手法自体にネガティブな感情を抱いていました。もっと自分に仕事をやらせようなんて馬鹿げてると考えていたためです。
今でもこの愛すべきブログでは「効率」「仕事効率化」という言葉を極力使わないように意識しています。
GTDについて学んで感動し、実践しようと思えたのは、GTDが仕事を効率化することではなく、そのもっと先にある幸福にフォーカスしていたためです。それは仕事を一秒でも早くやろうということでは決してなく、いま没頭すべきことに没頭できる幸せバカ状態を目指しています。
で、仕事効率化してどんな意味があんの?といった多くのタスク管理手法が見落としている根本的な質問に歯切れの良い回答を示してくれているのもGTDの革命的なところでした。
GTDはあらゆる仕事に応用できる効果性の高いメソッド
GTDを一度実践してみると分かりますが、GTDは個人のタスク管理だけに留まらず様々な場面でも考え方を応用できる非常に効果性の高いメソッドです。
私自身、仕事を超えて人生全体の方向性を決めるとき、チームでのプロジェクトの進め方、人とのコミュニケーションのやり方など、幅広くGTDの考え方を参考にしています。GTDを知る前と後では、まったく行動指針が変わってしまったと断言できるほどです。
▼GTDについては以下の書籍をお読みください。
▼ちなみに、ライフハック系プレミアム・メディア「CHANGES」に寄稿している以下の連載では、私なりのGTD実践法を10記事に渡ってまとめています。さらなる詳細はこちらもご参考にどうぞ。
ネクストアクションを見極めて没頭力を上げる
▼GTDについては、ひらめきメモのF太さんとひらめきラジオ内で詳しく語っているので、興味がありましたら、こちらも合わせてどうぞ。
貴下の従順なる下僕 松崎より