よく迷うことについて既に決断したことリストを作っておく

私の愛しいアップルパイへ

「人生は決断の連続だ!」なんて野暮ったい一節でこの文書を始める気はありませんから、安心してください。

ただ、実際のところ私たちの人生ってのは生活の隅々に至るまで決断の結果によってもたらされることでもあります。答えの出ない問いを前にカブトムシみたいにせわしなく頭を動かして、悩み込むこと自体が人生の本質ってやつなのかもしれません。

それでも、悩みを断ち切って日々の決断の質を少しでも上げられたらって思うことがありますか?そうこなくっちゃ!

そこで今日紹介したいのは、よく迷うことについて既に決断したことをリスト化して作っておくって取り組みなんです。

よく迷うことについて既に決断したことリストを作っておく

私はミッション・ステートメントという自分の人生において最重要な価値観を文書化しています。私はこの文書の一部として、よく迷うことについて既に決断したことをリストにしています。

▼以下の赤枠で囲われた部分です。

クリックで拡大

このリストは私が担っていると考える5つの役割ごとに7つずつ、合計35の決断したことが並んでいます。これは単に強く誓ったことというだけでなく、よく迷うから忘れないように結論を記しておくといった機能を有しています。

このリストはだいたい1年に1度見直して、その時々でよく迷うことに対して既に決断したことを入れ替えています。

日常でよく悩むことについて、現時点で自分が出した結論を持っておけば、答えを出しづらい質問に何度も悩むことがなくなります。

例えば、「説得するより模範になり、人を勇気づけることで人を動かす」というのは、何か他人を説得したいとか自分の考えに従って欲しいと感じた出来事があったら、相手と対話することに無駄に時間を割くようなことをしないように決めたことです。

「仕事と遊びを分けるのではなく、遊びを仕事にする」は、心から楽しんで遊んでることに対していちいち「こんなことをやってて何になるんだろう…?」と思い悩むことを止めるために決めたことです。

「他人を陥れるような仕事をしない」「ビジネスをすることは、夢と現実の交点を探る冒険である」は、ビジネスをすることに対してただ利益を最大化することや損得勘定の面を強く感じて嫌気が差した時に、そうではないことを思い出すための決断です。

「生きる目的は自分で決める」は生きる目的について誰かから答えを聞きたくなったり、誰かにすがったり、自分の外に答えを求めようとした時のために。「自分の使い方を知ることこそが真の喜びへとつながる」は、記録を取ったり内省したり、自己分析したりすることを安易に時間の無駄と決めつけそうになった時のためにあります。

日常生活の中でふとしたときに頻繁に思い悩むようなこと(そして正しい答えなど存在しない抽象的な問い)について一度結論を出したら、このようにリストに記しておきます。すると、次からは悩まなくて済みますし、なにより「もう決めたんだ!」と開き直って行動できることで、より高い成果を引き寄せることができます。

決断したことリストから価値観が見えてくる

数年前にこのような決断したことリストをミッション・ステートメントに統合しました。

なぜなら、よく迷うことについて既に決断したことのリストには、自分の価値観の中でも特に重要な信念が色濃く現れていることに気づいたからです。

”よく迷うこと”というのが鍵なのです。例えば「自分は放火をしない」といった類の決断をリストにしてもあまり意味がありません。それは自分にとって当たり前のことで、自分の価値観からは程遠いからです。

それより、「会社に大きな利益が出て、他人に大して被害を与えないのなら、少しくらい”ズル”をしてもいいのではないか?」といった質問に対する回答の方がずっと自分の価値観が滲み出てきます。

「物事を始める前にはじっくり戦略を立ててから動き出した方がいいのでは?」とか、「毎日1分1秒として無駄にすることなく成長に直結する確実性の高いことを1つでも多くこなした方がいいのでは?」といった、ふとしたときに自分にぶつけている質問や、少し立ち止まって考える必要があることについて悩んだ答えにこそ、自分を自分たらしめる価値観が浮かび上がってくるものです。

「よく迷うことについて既に決断したことリスト」を作って読み返すプロセスは、自分の使い方を知る上で大いに役立っています。

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。