7年前にブログを始めるきっかけとなった衝撃体験と1つの発想の転換についてまとめる

私の愛しいアップルパイへ

2011年8月1日のあの日、私がこの愛すべきブログを開設したのは7年前のことでした。

あなたへと向けて書き綴ってきたこの愛すべきブログこそ、私の人生を根底から一変させてくれたことは言うまでもありません。

この愛すべきブログの運営は我が人生における素晴らしい冒険譚になりましたが、なぜ無料で誰でもできる個人ブログの運営がこれほどパワフルな効果を発揮してくれたのでしょうか。もっといえば、なぜ私のように人生に決定的な変革をもたらしてくれるケースがある一方で、人生の暇つぶしに過ぎないようなほんの些細な習慣で終えてしまうケースがあるのでしょうか。

その決定的な違いが何かについて、私は自身の経験を通してこの7年間様々な切り口で考えてきました。そしてブログを執筆するというものが人生の扉を内側から開ける鍵になる場合とそうでない場合の決定的な違いについて考えを巡らせてきました。

▼その現時点での答えとなる連載をあのプレミアムなライフハックメディア「CHANGES」に残していくことに決めました。

ブログを書くのは最強のライフハック | CHANGES

 

今日はこの連載が始まった記念として、エピソード0にあたる私がブログを始めたきっかけの話とその根本となるある1つの発想の転換についてお話ししましょう。

Evernote情報活用術の3枚組DVDを見たのがキッカケだった

不本意ながら家と会社を往復するだけのサラリーマン生活を続けていた私が、それでも音楽家になるという偉大な夢を諦めきれずに、夢へと貢献する知的生産を可能とする生活を始めるために手に取ったのがシゴタノ!で紹介されていた3枚組のDVDでした。

ここには私が愛読し始めたシゴタノ!の著者たち、特に大橋悦夫さんと佐々木正悟さん、そしてCHANGESで共に連載することになる倉園佳三さんが中心となって、Evernoteの活用術について語る講座を収録したものでした。

これこそが今の私の、そしてこの愛すべきブログの原点でもあります。そして今、彼らから学んだ手法で運営しているこの愛すべきブログをきっかけとして、あの画面の中の存在だった彼らと一緒に仕事ができていることについて私はなんとも誇らしい気持ちでいっぱいです。

当時の私に、このDVDをきっかけにブログを始めることとなり、この画面の向こうにいる英雄たちと一緒に働ける日が来ると言ったら「笑止!」と一刀両断されるでしょう。このDVDをきっかけとして始めたこの愛すべきブログは、本当に多くの奇跡を運んできてくれました。

このDVDの内容はと言うとEvernoteのツールの説明はほとんど無く、彼らがEvernoteを媒介としてどのように自らの知的生産を行なっているのか、またどのような態度でクリエイティブな仕事に取り組んでいるのかと言ったことが中心に語られていました。

それはたとえEvernoteを使ってなくとも学ぶことの多い実に実り豊かな講座でした。私は会社から帰るとすぐにDVDを再生し、食い入るように画面にかぶりついていました。合計7時間に及ぶその内容に私は連日のように猛烈な勢いでシナプスを刺激されていました。

以下はこのDVDを鑑賞していた2011年7月11日〜16日までの日記の抜粋です。

情報収集をいかに効率化するかというDVDでは無い。タイトルにある通り、いかに収集した情報を活用するかが焦点になっており、非常に有益。特に情報収集と情報発信の表裏一体の関係に気づかされた事は大きい。

(中略)

情報を収集しただけ、情報を整理しただけで終わってはいけない。

アウトプットによって情報収集の質が変わる。アウトプットをイメージすれば、自分自身で整理した情報を基に新たな観点・秩序を作り出そうという意志が沸いてくる。そしてそれこそが新たな価値の創造となり、変革となり、自分自身により良い効果をもたらす。

実際ここ2,3日で新規ノートを作成した量が大きく増加。今までは外部から情報をclipしていただけだった為、新規ノートを作る事はあまり無かった。アウトプットをイメージしたEvernoteの体系作りを早急に進める必要がある。

(中略)

part3までの全ての鑑賞が完了。自分の中でちょっとした変革がおきる。今まで苦痛と思っていた情報発信(≒Promotion)を実践してみたくてしょうがない気分。これは新しい感情と言える。情報発信≠宣伝 という視点が生まれたため

このノートから垣間見ることのできる私の衝撃は凄まじいものでした。彼らがこのDVDの中で口を酸っぱくしていっていたのは、アウトプットがインプットの質を別次元にするということでした。つまり誰がためでなく日々の発見をまとめるためにブログを自分のために書くということでした。

まるで研究ノートを書くように、まるで日々の発見を手帳に書き残すように、ブログを自分のために書くのだと。

なるほどと思いました。そして、それは彼らが皆ブロガーであり、実際にこのグルメな私が憧れるほどの熱量と深みのあるブログを何年も運営していることからも強い納得感がありました。

それまでブログなどは資金力のない零細企業か個人による、告知と宣伝だけを目的とした無料でできる低品質なビラ配り程度の役割しかないと考えていたステレオタイプの私にとって、大きな衝撃となりました。

個人が一切の損得勘定抜きで、ここまで高品質で熱量のあるブログを何年も書き続けていることにシンプルに感動したのです。そして彼らの英雄物語を真似て自分も同じことをやってみたいと考えるようになったのは実に自然なことでしょう。

そうして、このDVDを見終わって2週間ほどの準備期間を経てこの愛すべきブログが誕生したのです。

自分のために書くブログで人生が根本から一変した

私は先人の英雄物語に刺激を受けながら、全く新しい視点でブログを始めることにしました。私は諦めきれない夢へと向かう最後の悪あがきの1つ1つをドキュメンタリーのようにブログに書き残し始めました

それは誰かを説得するためでも、誰かに見つけてもらうためでもなく、日々のかけがえのない一日からより深い発見を得るために、ひたすらに自分のためにブログを書くということでした。私は見よう見まねで、自分のノートに書きなぐるように毎日毎日ブログを投稿しました。

彼らの教えの通り、他人が自分のブログを見ているかなど二の次でした。実際のところブログ運営を始めて数ヶ月はアクセス解析の類を入れてなかったのでブログがどれほど読まれているか知る術すらないほどでした。

私が根本的な発想の転換の1つとして提案したいのが「他人の目線を一切気にせずブログを自分のために書く」という点です。これこそがかつての3枚組のDVDに収められいていた英雄物語のなかでも最も多くの豊穣を私にもたらしてくれた知恵だったのです。

ブログといえばこのだだっ広いTCP/IP網の中に放流するものですから、これは一種の矛盾に見えるかもしれません。誰もが読める場所に晒しながら、誰かに読まれることを一切考慮せずに書くなんて。

しかし、この一件矛盾しているように見える行動こそが鍵だったのです。これは矛盾は矛盾でも弁証法的矛盾ってやつで、人間を力強く先進せしめる驚くような爆発力を秘めた習慣だったのです。

まだ懐疑的でしょうか。その気持ちは分かります。私も7年前のうんざりするような夏の日。全てが変わったあの日にあなたと同じように懐疑的な気持ちのまま3枚組のDVDをパソコンのドライブに挿入したのですから。

▼ブログがいかにしてこのような素晴らしい体験をもたらすかについての詳細は、以下の連載に毎週書き綴っていきます。ご興味あればこちらもお読みください。

ブログを書くのは最強のライフハック | CHANGES

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。