夢見るリアリストの葛藤~独立後2ヶ月で立ちはだかった2つの壁(2)~

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私の愛しいアップルパイへ

どこまで話したでしょうか。ああ、そうです。「小さな心の引っかかり」まででしたね。続けましょう。

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独立後2ヶ月で立ちはだかった2つの壁(1)
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2つ目の壁:お金を稼ぐ恐怖

方針を転換して、単独セミナーの企画を進めたところで「小さな心の引っかかり」を感じました。それは無視できるほど小さなものでしたが、この手の心の引っかかりを無視すれば後々厄介なことになるだろうと直感的に理解しました。

ですから、私は少し呆れた顔で私自身に問いかけました。「これからが本当に面白いところだと言うのに、いったい今さら何だというのか?」と。返ってきた答えはまったく奇妙そのものでした。

「お金を稼ぐのが怖い」

わかります。「馬鹿げてる」と言いたいのでしょう。ええ、だから私も私自分に対して言いました。「馬鹿げてる」と。

「お金が無くなるのが怖い」ならよく分かります。でも「お金を稼ぐのが怖い」だなんて聞いたことがありません。

普通は「お金が無くなるのが怖い」で、「お金を稼ぐのは嬉しい」ですよね。もしくは「お金が無くなるのが怖い」けど、「仕事をするのは億劫」だったらまだ分かります。確かに面倒なだけの仕事は嫌いです。でも「お金を稼ぐのが怖い」ってのは馬鹿げてます。合理的じゃありません。

「プレゼントを貰うのが怖い」なんて人が居るでしょうか。「食事をとるのが怖い」なんて人が居るでしょうか。お金を稼ぐのが怖いならドクダミを食べて生活するしか無いではありませんか。そんなのはご免です。

「さぁ、これから」という時に馬鹿げた主張に付き合っている時間は無いのです。だから何度も私の本心に問いかけました。が、答えは同じでした。それどころか、その声はより一層大きな声になっていくようでした。

「お金を稼ぐのが怖い」

ジーザス、、、

まるで歯痛のように、、、

それからこの正体不明の恐怖は虫歯の痛みのようについて回るようになりました。いつなにをしていても、思い出したかのように突然ズキズキと痛み出し、苛立ちは隠しきれなくなりました。

「本当はお金が無くなるのが怖いだけなんだろう」「生活の急激な変化によって過度なプレッシャーがかかってるんだ」「何かを始めるときには得も知れない不安を感じるものさ。さぁまずは行動してみようじゃないか」などと考えましたが、どれも見当外れのようでした。

「恐怖」は一度認識してしまうと、それからは決して無視できなくなります。認識したと同時に”恐怖の手錠”がはめられ、動きは滑稽なほど鈍くなります。この時点で私の甘美な単独セミナー企画は”生ゴミ”になりました。

まったく厄介なことに巻き込まれたと感じました。

貴下の従順なる下僕 松崎より

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著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。