苦悩や葛藤や絶望は記録しなければ記憶からも抜け落ちて大きな損失になる

私の愛しいアップルパイへ

私がこの愛すべきブログを運営する上で心に強く決めていることがあります。それは、苦悩や葛藤や絶望はなるべく細部まで記録して、リアルに生々しく赤裸々に公開することです。

これこそ、我が人生を強力に導いてくれた最もパワフルな習慣のうちの1つでした。

ブログに格好いいところも格好悪いところも全部出すと決意

なにごとにも失敗はつきものですが、つい格好つけようとして、苦悩や葛藤や絶望は自分の中に抑圧しがちになるのが人間ってものです。

私のようにブログで公開するなんてもってのほかで、日記に残すことすら抵抗を感じ、記録に残すようなことは一切しない人だって多いでしょう。かくいう私もかつてはそんな人間の一人でした。私は根っからの夢想家ですから、かつての失敗や絶望など取るに足らないものとして蓋をするのが常でした。

そんな私がこの愛すべきブログを開設するときに決意したのは、この愛すべきブログを我が情熱の投影にすることでした。そして「システム屋から音楽家へ」をスローガンとし、諦めきれない夢へと至る最後の悪あがきを赤裸々に公開することでした。そのなかには当然、苦悩や葛藤や絶望も含まれています。いいところも、格好悪いところも全部出してやろうって。

▼この決意のもと、様々な時期で起こった以下のような記事をはじめとして数々の苦悩や葛藤や絶望を赤裸々に公開してきたつもりです。

脱サラして半年で貯金が0円になったときの話

好きなことを仕事にすべくフリーランスになったらうつ病になりかけた話

夢見るリアリストの葛藤~独立後2ヶ月で立ちはだかった2つの壁(1)~

フリーランス5年目にして月収が7万5千円だったときの話

本人に聴くパワー!~初ライブ直前にバンドメンバーと喧嘩したときの話~

人間関係は変えられる!10年来の腐れ縁はいかにして生産性を取り戻したか?

我がブログの持つテーマは、自分への裏切り行為の中にあった

私はいかにして過去の挫折から再起したか?

苦悩や葛藤や絶望を記録しなければ記憶からも抜け落ちて損失になる

これらの記事はいままで何度も読み返しましたが、読み返す度に驚きます。読み返す前にはこれらの苦悩や葛藤や絶望があまりに断片的になっているからです。人間の防衛本能ってやつなのでしょうか、普通このような都合の悪い記憶は片っ端から薄くなっているのです。この記憶のギャップには毎回驚かされます。

たとえばこのような記事の記録もないなかで、「独立したけど何故か稼げずに苦労している」とハニーバニーから相談を受けたとしましょう。もし上記のような記事を書いていなかったら、安易に「ビジネスモデルをもっと練るべきだ」なんて答えかねないのです。

もし、上記の記事の記録の断片でも頭の片隅に残っているのなら、つまり忘れかけていることだけでも覚えているのなら、私は口が裂けてでもそのような回答はしないでしょう。もっと注意深くハニーバニーの話を聞くはずです。にも関わらず、自分とは相入れないはずのまったく安易で表面的で無益で野暮で幼稚な回答をしかねないのです。このまったく矛盾していて一貫性のカケラもない記憶の曖昧さが恐ろしいのです。

そしてハニーバニーに回答する前に記事をあらためて読んでみて、あまりのリアルさにゾッとすると同時に認識を新たにするのです。

認識は自分を取り巻く世界を変える鍵です。もしこれらの記事が存在せず、記憶を取り戻せなかったとしたら…なんて想像するだけで恐ろしいことです。記憶が薄まれば認識は誤り、行動が歪むからです。

ですから、私は苦悩や葛藤や絶望はなるべく早いうちに、記憶が鮮明であるうちにこの愛すべきブログにまとめると決めています。

それが単に格好つけようとするよりもずっと大切な資産になることを知っているからです。そうして正しい情報を元にして記憶の一貫性を保とうとすることが、自らの世界を変える鍵になることを知っているからです。

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。