無気力な無名サラリーマンが6年で会社を作って社長になるまでの軌跡まとめ〜(4) 情熱に従う

私の愛しいアップルパイへ

(前回までのjMatsuzaki:サラリーマン時代、未来に対する絶望から立ち上がったjMatsuzakiは、ついに大いなる一歩を踏み出した。それは取るに足らないような小さな一歩に過ぎなかったのだが…)

かくして私は小さなことを自分と約束して、それを守る中で自信を取り戻し、主体性を取り戻し、時間を取り戻したのでした。もちろん物語はそこで終わりません。

今日はまるで口から出た吐息が自然と空間へと溶け込んでいくかのように、情熱がいかにして我が人生を占有していったかについてお話ししましょう。

情熱に従う、目的に従う勇気を発揮する

アウトプットして思考を深める

主体性を取り戻した私が次に手をつけたのはさらに自分の思考を深化させることでした。これは、生まれてことの方まったくうまくいっていなかった今までのやり方とは別の解答にたどり着くために必要なことでした。

このための最初の(そして決定的な)戦略を与えてくれたのは、自信を主体性を取り戻すために参考にしていたシゴタノ!というサイトでした。

このサイトの管理人である大橋さんとその相棒の佐々木さんはしきりに「インプットの質を強化したいならアウトプットする」と説かれていたのです。そしてそのアウトプットの場所としては検索もしやすく、自由度も高いブログが最強であると言うのです。

私はそれまでバンドのライブ告知用のアメブロしか書いたことがない人間でしたので、最初この主張に対しては懐疑的でした。しかし、あの二人が口を揃えて言うことならきっと効果があるだろうと信じることにしました。

それまで私は文章を書くのが苦手というか億劫だと思っていて、書かないで済むことならできれば文章を書くことは避けたい思いでした。しかし、書き始めてみるとすぐに文章かのパワーを思い知りました。頭の中の考えというものがいかに曖昧で、矛盾にあふれていて、使い物にならないかようやく自覚したのです。

2011年の夏、25歳だった私はついに文章化という思考を深化させる最強の方法に出会ったのでした。

自分には秘められた才能があることに気づく

ブログにアウトプットすることで思考を深化できるというのは、私にとって飛び切り大きな発見の1つでした。それに輪をかけて重要だったのは、自分の新しい才能に目覚めたことです。

というのも、最初こそブログを更新する作業は大変で、疲弊する作業でしたが、それと同じくらい楽しく続けられるものでした。以前、告知のためだけに更新していたブログはただ退屈極まりないものだったのですが、自らの思考を深化させるために書きじめたこの愛すべきブログは私にとって実に楽しい作業だったのです。

同時に、文章を使ってストックしていた比喩や周りくどい言い回しを使って遊んでみたり、システム屋の知識を総動員して見せ方を工夫したり、あらゆる面でブログは私を楽しませてくれました。それから私は夢中になって毎日更新し始めました。

「無意識の反応」や「ついやってしまうこと」、「トイレに行くのも忘れて没頭できること」が人間の才能の表れだとしたら、ブログは明らかに私の才能の表れでした。そして、驚くべきことに、この才能は生まれて25年目にして初めて気が付いた自分の才能だったのです。

自分のことくらいなんでも知っていると思いがちだった私にとってこの出来事は目が醒める思いでした。これ以外にもまだ自分の中に眠っている才能があるのではないかと考えるきっかけになりました。これはのっぴきならない現実を突破する上で大きな希望になると同時に、大きな武器にもなってくれるものでした。

自分を知る・才能に目覚める

ブログの一件以来、私は自分の才能について大理石像のごとく冷徹になって考えるようになりました。自分の才能とはなんなのか。他にまだ見ぬ才能が眠っているのではないか。それを活かすにはどうすればいいいのか。

そのために初めたことの1つは、およそ誰もが想像しうる最も凡庸な方法でした。それはストレングス・ファインダーをはじめ、強みを診断してくれる外部サービスを利用したことです。それらは確かに素晴らしい情報を私に提供してくれました。

ストレングス・ファインダーの受講方法や関連書籍など完全解説

しかし、それよりももっとずっと重要な情報を与えてくれたのは「自分に関する記録」でした。自分のことをまるで理解していないことに気づいた私は、細かく自分に関する記録を残して振り返るようになりました。そこに自覚のない才能を見つける手がかりがあると確信したからです。

そして、この予想は気持ちの良いほど当たりました。行動に関する記録であれ、食事や移動時間、感情に関する記録であれ、記録はすべて私に関するものであるにもかかわらず、それらは不可解なデータの連続でした。まるで他人の人生を覗き込んでいると錯覚するほど、自分の認識と記録にギャップがあったのです。

それ以来、私は以前よりもずっと内省的になりました。自分の中には宝の山が眠っているのではないかと考え始めたからです。まるで“新しい大陸としての“アメリカ大陸を初めて発見したイタリア人、アメリゴにでもなった気持ちでした(コロンブスの方が先にアメリカ大陸を発見したが、アメリカをインドネシア諸島と誤解していた)。

目的を決める・情熱に従う

自分の才能に関する知識がいつになく深まっていくに連れて、この素晴らしい才能を何のために費やすかを考える時間が増えるようになりました。

そこで私が行った決定的なことの1つは「ミッション・ステートメント」を作成することでした。ミッション・ステートメントとは個人の信条や理念、価値観を表明したもので個人的な憲法と言われるものです。私は「7つの習慣」を読んでミッションステートメントを定めるにふさわしいタイミングであると確信し、じっくりミッション・ステートメントを作成することにしました。

私は何日もかけてこれまでの自らの人生と向き合い、自分と対話し、未来のヴィジョンを思い描きながらミッションステートメントを完成させました。

▼ミッションステートメントを書く具体的な手順については以下の記事をお読みください。

ミッションステートメントを作る6ステップ

ミッション・ステートメンを書くプロセスを経て私は自らの人生の目的を主体的に決定しました。同時に、その目的のために命を燃やす覚悟を持てたのです。私はいつになく頭がクリアになって、尽きせざる噴水のごときエネルギーに満たされていました。

次回!目的を定めたjMatsuzakiはそれを実現する現実的な行動に動きはじめる!

こうして私は自分を知り、自分の目的を知り、その情熱に従う勇気を発揮し始めたのです。これがだいたい3ヶ月から半年ほどのことでした。2011年〜2012の前半にかけてで、私が26歳になった頃でした。

それから私は現実的な行動に動き始めるのですが、この手紙もそろそろスペースが不足してきましたので、またの機会といたしましょう。

それでは、良い日を。

貴下の従順なる下僕 松崎より

ネクストッ → 近日公開予定!

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。