在宅勤務歴8年でたどり着いたテレワーク時の就業時間を決める5つのマイルール

私の愛しいアップルパイへ

あなたもご存知の通り、2012年に当時働いていた会社から独立し、在宅勤務メインの働き方に移行したのは今から8年前のことです。

その間本当に多くのことがありました。中でもあなたに強くお伝えしたいのは10代の頃から一緒に生活していたトイ・プードルのサラが亡くなったことです。帰宅すると千切れるほど尻尾を振り回し、両手を振り上げてシャカシャカと私の膝にまとわりついてくるサラの面影を今でも思い出します。

まぁまぁ少々お待ちください。ほんの冗談じゃありませんか。在宅勤務している間の就業時間について知りたいんでしょう?よろしい。今日は在宅勤務歴8年の私が決めたテレワーク時の就業時間についてお話ししましょう。

働きすぎても働かなすぎてもパフォーマンスは発揮できない

私はいつでもどこでも働けるのですが、自由というのは時に残酷です。うまくフローに乗れないと十分なパフォーマンスを発揮することができず、こんなことなら9時〜17時まで固定で会社に通勤する方がずっとマシなのではないかと嘆くことになります。

在宅勤務&テレワーク環境での意外な落とし穴は、サボってしまうことではなく、むしろ働きすぎてしまうことです。いつでもどこでも働ける環境だと、寝起きにSlackを確認したり、寝る前に気になるメールに返信してしまったりすることができます。オフィスのように終業を体感できないので、いつも「まだ働き足りないのではないか?」といった妄想にとらわれてしまいかねません。

長期的に考えると、働きすぎても働かなすぎてもパフォーマンスを発揮することはできません。難しいのは、ちょうど良いバランスを見極めることであり、そのバランスは人によって微妙に違うことです。

就業時間を考える上で参考にした本の中にジム レーヤー氏の「成功と幸せのための4つのエネルギー管理術―メンタル・タフネス」がありますが、本書では以下のように書かれています。

極度に「直線的な」生活をしている場合──消費ばかりでまったく回復がない場合や、回復ばかりでほとんど使わない場合など、エネルギーの消費量と回復量に極端な差がある場合を指す──その先に待っているのは、疲れ果てて倒れてしまうか、燃え尽きるか、逆に退化するか、情熱を失うか、であり、ひどい場合は若くして死に至ることもある。残念なことだが、私たちは回復の機会をもつことを持続的なパフォーマンスに不可欠なものとはとらえず、弱さの象徴のように考える傾向がある。個人レベルでも会社レベルでも、回復の機会を作ってエネルギー量を増やしていく必要性について、ほとんど注意が払われていないのが実状だ。

力強いパルスが流れる人生にするためには、エネルギーをいかにリズミカルに消費し、回復するかを学ぶ必要がある。

by 成功と幸せのための4つのエネルギー管理術―メンタル・タフネス 第1章 フル・エンゲージメントとは何か

在宅勤務歴8年の私が決めたテレワーク時の就業時間

独立した当初、私は働きすぎて数日に1回はオーバーヒートしてしまうことがよくありました。それから今まで働き方については文字通り毎日試行錯誤を続けて来たわけですが、ここ数年は自分なりのルールを確立することができて安定しています。

どのようなルールかというと、以下のような5つのマイルールです。

  1. 最初に仕事に手をつけた時間を始業時間とする
  2. 始業時間から8時間後を終業時間とする
  3. 終業時間が18時を超える場合は終業時間を18時とする
  4. 終業のサインとして10分ほどランニングする
  5. 終業後は家事や読書など余暇を過ごす

簡単に解説しましょう。

私は起きてから45分ほど朝儀式と名付けた一連のルーティンを行います。そこには水を飲むことや朝食をとること、カーテンを開けることやパソコンの電源を入れることなどが手順化されています。この一連の朝儀式を終えて最初に着手した仕事を始業時間とし、記録しています。

基本的には、この始業時間から8時間後を機械的に就業時間としています。就業時間を決めずに働いたり、もっと長くしたり短くしたり、休憩時間などを除いた計算式を用いたりなど試しましたが、結局はここに落ち着きました。

ただし例外として、8時間後が18時を超える場合、つまり10時以降に始業した場合には強制的に就業時間は18時とします。前日の深夜に予定があった場合などは10時以降に始業することもあります。そんな日に働きすぎて18時を越える場合にはさらに翌日にも影響が出てしまうため、終業時間の上限は18時としています。

終業とはいえ学校のようにチャイムがなるわけでも、同僚が帰宅準備を始めるわけでもありません。在宅勤務では終業を体感できずに時間をオーバーしてしまいがちです。そのため、終業したら速やかに外に出て運動することにしています。短時間のランニングか、30分ほど近所のジムで筋トレをします。

運動によって体を疲れさせれば睡眠の質が上がりますし、太陽の光を浴びることで体内時計の調整にも役立ちます。

終業後はまったく仕事に関することをしないわけではありません。家事などを主に行いますが、仕事に関する本を読んだり、英語の勉強をすることがあります。仕事に関連することをやるにしても、必ず期限の差し迫ってないものを選びます。終業後に手をつけていいのは、将来への投資となるものだけです。

パルスを描くように始業して終業する

同じくジム レーヤー氏の「成功と幸せのための4つのエネルギー管理術―メンタル・タフネス」にはこんな一節があります。

自分の力を一〇〇%発揮するには、あらゆる面においてエネルギーの消費(ストレスをかけるプロセス)と、新しいエネルギーの獲得(回復をはかるプロセス)のバランスをうまくとることが必要なのである。

消費と回復のリズミカルなウェーブを「往復運動」と呼ぶ。この「往復運動」は、生活の基本的なパルスである

生活のなかで脈打つパルスが力強いほど、人は実力を発揮できる。

by 成功と幸せのための4つのエネルギー管理術―メンタル・タフネス 第3章 ストレスと回復のバランスをとる

仕事や生活をする上では、エネルギーの消費と回復のバランスを考えることが大切です。本書では、潮の満ち引きや振り子の運動、季節の移り変わりや日の出と日の入りなど、自然界の様々な要素を構成している「パルス」のように往復運動を繰り返しながらエネルギーを消費して回復することを重要視しています。

始業と終業もこれと同じです。最初はエンジンを温めながら少しずつエネルギー消費を激しくしていき、ピークが終わったら緩やかにして回復に入っていく。このような曲線的なエネルギーの使い方を1日の中に取り入れることで長期的に高いパフォーマンスを発揮できるようになります。

今日紹介した就業時間のマイルールも、このようなパルスを自然に描けるように決めたものです。あなたが自分の生活の中にパルスを生み出すために、この記事が参考になるといいのですが。

貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。