杞憂なことリストを作って不安をマネジメントする

私の愛しいアップルパイへ

あなたもご存知の通り、私は日頃から様々なリストを作っています。「今日やることリスト」から「ミスしたことリスト」、果ては「妙ちきりんな比喩リスト」まで、数々のリストが我が生活を支えてくれています。

▼毎週のように更新しているリストは以下でも紹介している通りです。

私が7年磨いてきた週次レビューの手順を公開します

今日はこの中で紹介した「杞憂なことリスト」にフォーカスして今日はお話ししましょう。

まだ問題も起こってない不安が多くの行動を抑制している

あなたは私がヘラクレスやスパルタの軍人みたいに逞しく、前向きで、若々しく、希望に満ち溢れており、溌剌とした人間であると信じてやまないようですが、実は私も不安に苛んで行動できなくなる時がよくあります

例えば最近では、私は去年ドイツの首都ベルリンへと移住したわけですが、移住する前から海外で暮らすことで健康を害すんじゃないかとか、友人と会えなくなることで鬱屈としたりするんじゃないかとか、ビザが取得できずに強制帰国させられちゃうんじゃないかとか、新しい環境の新鮮さを楽しむと同時に、将来への杞憂と隣り合わせで生活していました。

特にビザが取れるまでの不安は大きく、大して準備作業はないにも関わらず数週間もろくに仕事に手が付かなくなったくらいです。

それ以外にも、私は自営業ですから、将来のお金の不安は絶えませんし、不安から擦り切れるまで仕事してしまったり、逆にハードルが上がって仕事が手につかなくなる時だってあります。それによって相性の悪い人との仕事を切る決断ができずに生活の質を下げてしまったり、本質から外れる仕事を増やしてしまう時だってあります。

新しい人に仕事をお願いするときには、これまでの関係が崩れてしまう失敗に見舞われるのではないか?と不安に思ってなかなか仕事を依頼できなかったり、それによって一人で抱え込みすぎたりもします。

新しいプロジェクトを始めるときには、これまでの積み重ねを一気に崩壊させるような大失敗に見舞われるのではないかと気に病むことだってありますし、時間の無駄になったらどうしようと怯えることだってあります。

もちろん「空が落ちてくる」と怯えることだってあります。

これらの特徴はまだ問題が起きてないうちから不安に怯えて行動を消極的にしてしまうことです。今ではかなり改善された方ですが、以前はもっとずっとひどいものでした。そもそも、おそらく海外に移住するなんて決断をする勇気は出なかったでしょう。

では、どうやってこういった杞憂の壁を乗り越えたかというと、その直接的な対策の1つが「杞憂なことリスト」を運用する習慣です。

杞憂なことリストを作って集中力アップ

杞憂なことリストとは、もともと以下の佐々木正悟さんの書籍で紹介されていた「杞憂日記」に触発されて3年前から始めた習慣です。

杞憂日記とは、心配ごとを記録しておき、心配ごとの結果がわかったら、その心配ごとが杞憂にすぎなかったかどうかを記録しておくものです。

すると、心配ごとのほとんどが取り越し苦労だと分かり、日頃からいかに自分が余計な心配に時間と労力を使っているか気づけるようになります。さすれば気苦労が減って集中力が上がるわけです。

私は本書を読んで感銘を受け、杞憂を感じたら箇条書きでリストに追記し、結果を追記することにしました。私の場合1つのファイルに杞憂なこととその結果を追記していくので杞憂日記ではなく、杞憂なことリストと呼ぶことにしました。

杞憂なことリストで不安をマネジメントする方法

杞憂なことリストをEvernoteに作る

杞憂なことリストを作るといってもフォーマットはとても簡単です。ノートを作るクラウドサービスEvernote」に1つのノートを作成し、そこに箇条書きにする形で杞憂なことリストを作っています。杞憂なことリストはどんどん増えていくので年ごとにファイルは切り替えます。

杞憂なことが起きたらチェックボックス + 杞憂なことを文章として箇条書きにするだけです。

▼実際のファイルは以下のような形です。

杞憂なことの結果がわかったら追記する

杞憂なことに結果がわかったらその箇条書きに一段下のレベルに結果を追記します。結果も日付を冒頭につけて箇条書きで追加していきます。杞憂なことが解決した場合には杞憂なことの冒頭にあるチェックボックスにチェックを入れます。

杞憂なことには進捗があれば結果として文章を追加し、杞憂なことにチェックが入るまで継続して追加していきます。

▼実際のファイルは以下のような形です。

週に一回リストを更新する

杞憂なことリストは定期的に更新することでその真価を発揮します。私は毎週日曜日に行っている週次レビューの際に必ず杞憂なことリストを更新しています。

具体的には一週間分の日記を読み返しつつ、新しく杞憂なことが発生したらファイルに追記し、既存の杞憂なことに進捗があればそれを追記します。

毎週杞憂なことリストを眺め、最新情報にリスト更新することで真正面から不安と向き合いえば、得体の知れない不安に悩むことが減ります。

取り越し苦労がわかると行動できるようになる

杞憂なことリストを作ると、いま自分が不安に感じていることが明確になり、それだけで少し気分が溌剌としてきます。その上で、杞憂なことリストを運用して不安に感じていることのほとんどが取り越し苦労だと分かると、新しく発生した不安に対する気苦労も減ります。新しい不安も確率的にほとんどは取り越し苦労だと事前に分かるようになるからです。

杞憂なことリストを作っておけば、取り越し苦労が記録として形に残ります。そして、記録を通して不安のほとんどが取り越し苦労だと分かれば、今後も軽い気持ちで行動できるようになります。杞憂なことリストの運用は、不安を減らして目の前の本当に没頭すべきことに集中するための習慣になります。

私がまるでスパルタの兵士の如く永遠を閉じ込めたような溌剌とした若さを保っていられるのはそういう訳なのです。

▼なお、次回のひらめきラジオではこの辺りの不安を上手にマネジメントする方法についてお話しますので、ご興味あればご覧ください。




貴下の従順なる下僕 松崎より

著者画像

システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。